熟女三人は、Pienzaピエンツァへ向かった。
ここには、6年前に家族と来た。
あの時もこの町を急いで観光したような記憶がある。
その日、マーケットがあったからか
そしてバカンスをやっとはじめた我が家のような
もしくはバカンスから帰ってきたこんがり焼けた人々で
賑わっていたことをよく覚えている。
小さな町は、入口が違っても辿り着くところは同じだ。
あの時もDuomoドゥオーモ(大聖堂)の中を拝観した。
そして、ピエンツァ特産のPecorinoペコリーノ(羊乳のチーズ)屋さんが
軒を並べていたのをよく覚えている。
今年はコロナのせいか人は少なめに感じたけど
それでも店は日曜日なのにだいたい開いていたようにおもう。
観光地なだけに嬉しい。
マスクを道端でもしている人が多かった。
お盆を過ぎて、感染者が増えたニュースをやってたばかりだ。
私たちは、今晩のつまみにトリュフ入りペコリーノチーズを
ちょっとだけ買うことにした。
さすがに丸ごと買うことはできないが
小分けに真空パックで保存されているそれを買った。
真空パックだとかなりの期間もつ。
日本に帰国するときなんか、真空パックで注文する。
独特の香りもしまい込めてとっても便利。
6年前は、Bagno di San Filippoバーニョディサンフィリッポという
森の白いクジラともいわれるそんな形に石灰が固まった
温泉が湧き出る無料の自然温泉へ行って
家族三人がぬるい滝の下で打たれ座っていた。
夜は、Monte Amiataモンテアミアータという山の
キャンプ場のキャラヴァンを借りて
初の内装にドキドキしながら寝たことは忘れられない。
その頃まだグーグルマップが我が家にはなく
真っ暗に辿り着いちゃったけど、突如キツネ一家が出現し
きゃぁきゃぁ七歳の少年とはしゃいだ記憶は鮮明だ。
私たちは強行に予定通りBBQをして
暗闇の中を動く動物のようでおかしな家族だった。
翌日、Bagno Vignoniバーニョヴィニョーニという小さな温泉地へ行って
でもこちらは、自然を人工的に昔の人が工夫して
もしかするとまるでテルマエ・ロマエ風の温泉に浸かった。
プールのようで日本の温泉風なこじんまりさがあって
静かに波を立てずにそーっと入る。熱くはない。
その家族旅行はVal d'Orciaヴァルドォルチャ(オルチャ渓谷)
周遊旅行だったなぁ、思い起こしてみると。
そのあとピエンツァに駆け足で行って
それから今日と同じコース、シエナの友宅に泊まらせてもらったんだ。
友と友の子どもちゃんの写真もでてきた。懐かしい。
大人はちっとも風貌は変わらないけど、子どもたちが...。
我が少年もこんなにかわいかったんだ...。
あんなにぴったりくっついて。
今や距離を喜ぶ思春期少年になっちゃった。
今、こうやって、家族をおいて
熟女たちだけで旅行しているのが、なんだかおかしかった。
きっとこれからこういう機会が増えていきそうな気がした。
家族に終わりはないけれど、出産してから今まで
自分を家族に80%ぐらい注いできたところを
もっともっと減らして、独りの時間だって各々にもって
ちょっと成長した共同生活が送れたらいいな
なんて思うようになった。去年からw
私は、人がいう「子育て」を感じながら生きてきたことはない。
同居人が小さいから時々世話をしているみたいな感じだった。
この小さい同居人のことを誰も面倒みてくれなくって
私が引き取ったような感覚なのだ。
出産したときの痛みなんかとっくに忘れちゃったし
プワ~とあくびしながら出てきた4㎏近い赤ちゃんは
お腹の中でちょっと成長しちゃってて赤ちゃんぽくなかったw
だから動物的母性ってのをなんだか感じないまま過ごした気がするし
本能とか気持ちはあるけれど、子育てというより
環境に応じて生活している感がつよいのである。
人生や生活の中で常に優先順位ってのがあって
時に一番がその小さい家人だったり
時に一番が仕事だったり、時に一番がお金であったり
時に一番が勉強することだったり
時に一番が食べることであったり
時に一番がカラダのことであったり
時に一番が家族団欒だったり
時に一番が独り時間だったりする。
そして時に一番が、それがしょっちゅう自分だったりするのであるw
熟女たちは、シエナの友宅のお庭でまた乾杯した。
友たちはコンタクトを外してメガネをつけた。
メガネの向こうにある目が少し小さくなるのが可愛らしかった。
その小さな目でケタケタおしゃべりしてる姿をみるのが私はすき。
進化したコンタクトより道具のようなメガネの方が
私は親近感を覚える。だって私コンタクト装着怖いんだもん。
ご近所はもう寝ちゃったのかな、静かだった。
私たちの笑い声がときにサイレンのように響いたw
笑うたびに肩をすぼめた。
翌日、シエナの友はB&Bのような朝食を用意してくれた。
一度食べるために座るとまた話が始まっちゃって
なかなか次に進まない。きっと容易に想像つくであろう。
それでもシエナの友は、Castellina in Chiantiカステッリーナインキアンティ
村へ行かない?と提案してくれた。
もうお昼も近い、軽くランチをしに行こうということになった。
とても近くにその村はあった。
ちょっと標高が高く、気持ち良い風も吹いていた。
村の一本の道を歩けば城もあれば教会もあった。
シエナの友はこの村で働いていたこともあって
あちこちチャオ~と住人に声をかけていた。
もういくところは決まっていた。
そこは、お肉屋さんなんだけど
ちょっと軽く一杯とかランチができるのよ~と友オススメのようだ。
私たちはふむふむとついていく。すすめられるともっと楽しみになる。
ここよ~。
へ~。確かに人気店ぽい。
外は満席だ。中が空いてるみたい。
しかし、予約されていた...。
でも予約までだったらいいよ!と友の顔がきいたw
ここでもサラミとペコリーノチーズの盛り合わせ。
熟女には野菜必須でナスのマリネやトマトサラダもつけた。
そして地元のテーブルワインで小さなテーブルを囲んだ。
ここもプロシュットやサラミ類が美味しい。
美味しいプロシュットは脂が美味しい。
チーズとかもそうだけど、食べる数時間前
常温に近い温度に戻すといわれている。それかもしれない。
だからこの溶け具合は味覚が増すようなきがする。
ペロペロ食べれちゃうし、塩味でワインもグイグイ呑めちゃう。
最後の最後まで熟女たちは話が尽きなかった。
私は非現実的な旅行のようにも感じたけど
シングル時代を思い出した気分で懐かしく楽しかった。
いいきっかけとなって誘ってくれた友たちにありがとう!
エンポリの駅にヤツラが揃って迎えにきてくれた。
土産話をしたいのに、ヤツラはサッカーの話をして
興味無さそうだった。私はサッカーに興味が無かった。
家に着いて、お土産のプロシュットを食べながら
土産話をすることになった。それでいいのかもしれない。
そのときはヴィンチのワインをグイグイ呑みながら。
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