大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:手紙

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コレクションしたかったけど、唯一眺めることしかできないコレクション

記念切手集め。

一通につき2.40ユーロする国際郵便を

残念ながら節約することにした。

そして時代に乗って、チャットに添付することにしてしまった。

理由は、節約だけではない。

一年後に戻ってきてしまうことが、今も発生するからである。はぁ。

メリークリスマスとか良いお年をと挨拶しても

その日までに届くことは期待してなくても一年後とは。

戻ってきてしまうことが一番残念である。


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私は、そういうわけで、ずっとクリスマスカードを年賀状のように

お歳暮のように、友や親戚、お世話になってる人なった人に

送り続けている。

今やリアルタイムなSNSやチャットがあるから

タイムとコストをみれば割の合わないことであろう。

受け取る側は、どう思うかわからないが

私はやっぱり紙となって世界を渡ってくる方が嬉しい。

友からの手紙もある意味私のコレクションだったりする。

写真を印刷しないと写真とは呼べないんじゃないかと思うように

手紙も紙に書かないと

手紙とは呼べないんじゃないかと思ったりする。

そう想うと、切手の値上がりは、私には悲しいことなのである。


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少しでもたくさんの友に送った気分

受け取った気分を味わってもらおうと

2019年の12月1日にSanto Natale(クリスマス)の

記念切手が発売された頃

ネットで気に入った切手をチェックしておき

街の郵便局に出向いてチョイスした切手を紹介したいと思う。

記念切手の内容やグラフィックに興味の沸くものは

毎年たくさんあるから、選ぶのも一苦労なのだが

送る方の人数に合わせて、合計金額に合わせて調達する。

ほとんど日本行きは記念切手2枚では足りないことが多いから

すぐにポストに投函できない。

しかも、細かい切手はもう存在しないそうだ。

20セント足りないと、窓口で封筒に20セントと

記念切手を邪魔するように印刷される。そこも残念。

だから記念切手は送る用ではなくコレクション用みたいだ。

切手にも、もう値段は記されていない。

ランク付けでAとかBとか記されている。これも残念。


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2019年はさすがレオナルド・ダ・ヴィンチの没後500年

ということもあって、レオナルドやメディチ家に関わるもの

フィレンツェの美術館などもあった。

これらはコレクションし甲斐がありそうだ。

もし旅行に来たら、記念切手を買うか

自分宛てにイタリアから送るのも思い出に残るかもしれない。

自分から自分へ。

メキシコやオーストラリアに行った時自分に送った思い出がある。


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ヴィンチから最寄りの街は、渋滞で全然すすまなかった。

スーパーは人でごったがえしていた。

家族が集って親戚が集まって盛大にクリスマスを祝うイタリアは

食べることに関しても贈ることに関しても

伝統のクリスマスは、キリストの誕生とともに

とりわけ平和を願うのである。

私たち小さな家族は、クリスチャンではないけれど

なんちゃってクリスマスだけど、平和だけは願いたいから

この日は小さなテーブルで大きく平和と新年を願いたいと想う。


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お歳暮のようなコレクション切手のクリスマスカードは

翌年来る年に届くことを予想するが

気持ちは平和の祈りであるから

四季のどこかで受け取れば私は十分である。

イタリアの郵便事情をこんな気持ちで構えるといいだろう。


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世界の平和を祈って、Merry Christmas!

Buon Natale a tutti!!!!!



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母のクリスマス les chanson de ma mère

生命の誕生 Buon Natale

イタリアからの手紙 Francobolli Filatelici 2017


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今日もまた一日が終わろうとしている。

日が短い今日この頃

朝遅く明け、日は早々に沈んでいく。

日の長さを恋しく思う日々を過ごす今日

一年という歳月が終了する。

私たちの月日の計り方で

昨日と今日の変わり目の瞬間の

この区切りは、世の中の節目さえも意味する。

元旦から急に変わる予定はないから

新年の未来を想像し構築するよりも

私は、この大晦日の日、じっくり一年を振り返ろうと思う。

過去あっての現在で、過去と現在があるから

ぼんやりの未来がある。


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今日のブログは
2018年の101記事目。

まずはワードにバシバシ下書きをしていくとき

年毎に分けているファイル作成で、番号に気がついた。

週に二回、ニュースレター的に

大地の小さな顔もしくは天空の大きな顔

記憶を記録をみなさんとシェアできたかな

とささやかに願っている。

あまりにも忙しいときは現実に集中したが

このペースだと、考える時間も持てて私にはちょうどいい。

それでも日は追ってくる。

季節に関する話題は、意外と私を急かした。

昨日の朝やったことが、翌日の夜ふと思い出すと

すごく遠い昔に思えたりすることもある。

一週間なんてあっという間なのに

一週間前のことが遠い記憶のように感じたり。

過去の私の体験と提案という小さな未来を

現在の想いで時間の過ごし方を書いていたように思う。


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今年もクリスマス&年賀カードを送ることにした。

しかし、今年も郵便切手の値上がり。

ここ数年、友たちや親戚にはまとめて郵送していたが

友も親戚も、同じ日本にいて同じ州にいて同じ県にいても

会えていないということを知った。

私に置き換えれば、フィレンツェにいる友に会っていない

ということである。

ずいぶん失礼なことをしていたな・・・

まとめて届いた友にも、会えない友にも。

友が悪いわけではない。

自分でも日常の忙しさで動けないのに

自分のことを一方的に押し付けていた私がいけない。

手紙というのは、やはり一つ一つ丁寧に送るものだと反省した。


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送り先の中に、そのイタリアから送られてくる私の手紙に

イライラしている人がいた。

たいていは、言葉に責任を持つように話すのが大人だと信じているが

面と向かって言ってくるのだから相当だったのであろう。

私がいけないのか、イラついた人がいけないのか

これもまたそれぞれに論はあるだろう。

しかし、私は、イラついた人の身を想った。

報告なんて、誰しも葛藤後の話。

みんな一秒一秒幸せな人なんていない。

それを見抜けずに過ごしていたことを残念に想った。

その人は、義母の世話をしていて、話では大変そうであった。

夫が今、実母の世話で失望する日

私が少年と平和な空気にいると、イラつくのである。

そのイラつきが、その人のイラつきとそっくりで

いつもいつも、面と向かって言われたことを思い出すのである。

どうすれば、葛藤の助けができるものか。


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フィレンツェでアパートをシェアしたスイスの友に手紙を書いた。

イタリア語は、少年が添削してくれた。

チャットというリアルタイムは便利だが

手紙というずれた時間を受け取るのも温かみがあり想像力が増す。

彼女は年始、名物のチョコレートを同封してくれた。

こんなことができるのもEU圏内だからこそ。

彼女とのテーマは、家族独立。

子離れと夫婦それぞれの時間の尊重。

マンミズモのイタリア、就職難のイタリア、物価高のイタリア

果たして完璧な家族独立ができるのであろうか。



と、不安になるようなことを書いていると同時に

イタリアの良いところを探す自分が常にいる。

これはなんといっても気候と食べ物しかない。

太陽を浴びたホンモノの植物を食べて

大地を守れれば最高だとつくづく思う。

これだけのためにイタリアにいることの不思議な満足感。

それともルーズなようで保守的な国民に惹かれるのか。


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手紙やブログを書いていると、考えたり検索したり辞書を引っ張ったり

私には、生活の中の良い手段となっている。

本がなかなか読めない持てない環境の中

ボキャブラリーはお粗末平行線であるが

現代風にSNS生活ではたくさんの方のブログを拝読し

勉強・参考にさせていただいてる。

私も、そのたくさんの中で、一つのカテゴリーにすると

ちっぽけな人間の大きな大地の恵みを、紹介できればと想う。

メッセージを生み出せる日々の暮らしを送れること

みなさまと共有できただろう幸せを抱き

一年の培った想いを来る年へ向けて

2018年も幕を閉じたいと思います。

ありがとうございました。





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ヴィンチの地平線 Orizzonte

ぬけがらと たまご Spogliee Rinascita

イタリアからの手紙 FrancobolliFilatelici 2017



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La vita è bella. E' che siamo felici.

人生ってステキです。それは、幸せでいること。




20年前、向こう側のヴィンチの丘のアパートの壁に飾ったフレーズ。


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年前、結婚を報告するレターにも綴ったフレーズ。


現在、そう気がついたフレーズの作者は、同じことを感じている。




人それぞれ、幸せを感じる瞬間て違うかもしれない。

でも共通して人生を送っていることって

困難があったり、喜びがあったり。




人それぞれ困難の度合いは違う。

生死にかかわることかもしれない。

不自由になることが困難かもしれない。

お金に纏わることが、困惑の決め手かもしれない。




必ずしも持ち合えている私たちの欲に、自由を持たせれば

減らしたり増やしたりすることができるだろう。


欲張らないを基準にプラスマイナスすると

減らした我慢した欲にきっと見返りが来るかもしれない。

増やした欲を達成するために努力が必要かもしれない。


それが、価値観の違いで、全くそれは人それぞれなもんだ。


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隣の芝生が青く見えたとき、自分を見直すいいチャンスだろう。

人生っていう広いスパンじゃなくって。

もっとパーツパーツに。




人生って、振り返ったときに人生を眺められるもので

前進中は、自分や運命を信じて、今はコレ!を全うする。




私は、不自由で不安だらけの毎日を送っていても

なんでこんなに陽気でいられるんだろうと自分でも感心する。


一生懸命やるところと

手を抜くところがわかってきたんだと思う。


見えないところは、キチンとやる必要はないんだよ。

家具つくりをしていた頃の家具職人の一言は忘れられない。


だんだん見えなくなってきたり、覚えられないことが多くても

できる人とのチームワークに頼ることも増えてきた。


それが家族だったりもする。


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そのレターを作成したとき、種を貼り付けた。


はじめまして。私たち種です。


種たちは、時間をかけて居座るところを決めて

成長が始まった。


雨に打たれたり、のどかに背伸びしたり。


種から種ができ、また新生活。


種は、鎮静作用があるリラックス効果のカモミール。


痛みを抑えて、落ち着く我が家であることを望んでね。


この種を蒔いて、幸せの花を増やしたかった。


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少年が、グーグルマップで現在位置をもっともっと縮小して

宇宙の中の地球の中にいる現在位置を見ていた。


画面の中の地球と私たちがいる現在地。


ちっぽけがさらに小さくなった。




ちっぽけな現在地を見て思い出した。


ちっぽけな人間がいっぱいいて

あっちにもこっちにも人生という名の明かりが各々の窓から見える。


そんなことをフィレンツェの街中を歩いてるとき想ったことがある。


砂埃が舞う現在とは思えないようなところを歩いた旅でも

人生という明かりは灯していた。


そして、その人生たちは、旅する私を笑みで受け入れてくれた。


種は成長中。


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あの時もこの時も振り返った人生をステキだなと想えて


人それぞれ違う満足が小さな幸せで


怒ったって仕方がないことは飲み込んで時間をかけて忘れて


笑ったり喜んだりすることに一生懸命になって


完璧を求めなければ手を抜くことはいっぱい!


 欲を減らして今に納得したらもう幸せなの。


そんな感覚の積み重ねが人生のステキになると想うんだ。




種から種へ、幸せの種。

根付いて成長して花が咲く。

その繰り返しが、幸せを生んで、ステキは保つはず。


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夫が、愚痴ばっかりこぼす仕事先でも

たまに楽しい瞬間があったりするようだ。

愚痴も楽しい話も、私は聞くよ。

当の本人より、彼の人生を文章で語れそうだ!


困難さや満足感は、同じ屋根の下で生活していても違う。


家族も人それぞれの人間。


同じは求めない。


同じを求めるとぶつかるの。


種から芽が出た植物だって、同じではない。側にいるのに。




それでも種家族で思い出を創ろうか。

できるときに、できるだけたくさん。

でも、見ているところは違うかもね。




秋晴れの秋の結婚記念日、家族三人で海を眺めに行った。


広大な海、地平線が水平線。

平面な線の向こうは、ちっぽけな私たちには見えない。


見えなくてもいい。

種から生まれたら、今があって、それからだ。



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家の中の族 iCerchi nella Casa

ヴィンチの地平線 Orizzonte

浴びる日と水と土と風と sullaSpiaggia



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Tutto


師走のはじまり、恒例のカードつくりをする。

Christmas Card


ここでこんなことを綴ってしまって、カードを受け取る人は戸惑うかもしれない。

Santo Natale

< Santo Natale / Madonna con bambino e angeli >

Filippo Lippi / Cassa di Risparmio a Firenze


家族の一年と私の想いを、この師走のはじまりに振り返って、言葉にする。

Ceramica di Montelupo

< Ceramica di Montelupo Fiorentino >

Villa Medicea dell'Ambrogiana di Montelupo Fiorentino

Rosso di Montelupo”
un bacile in maiolica con decoro a grottesche datato 1509


私は、手紙を書くのが好きであった。

友に、一度に何十枚も手紙を書いたこともあった。

ぼんやりと窓から見える風景を眺めながら、何日もかけて下書きノートに書き納めていく。

ここヴィンチの丘の窓からだけではなく、フィレンツェのアパートの窓からだって。

ずっとずっと前から、もう何十年も。

90 Anni di Topolino

< 90 Anni di Topolino > 1928 – 2018

illustato da Giogio Cavazzano


テーマを決めて、私の体験や想いを綴っていく。

自分の中にあるもやもやが、手紙をきっかけに言葉へ変換されていく。

人に伝えるということは、一から説明しなければならない。

私の記憶を記録していく。

ノートの下書きを、便箋に清書していく。

二度書きすることで、しばらく私の中に余韻が残る。

FIAT nuova 500

< Fiat Nuova 500 > 1957 - 2017


今や手紙を書くことは無いに等しくなってしまったが、やはり短文でもまとめたい。

まとめることで、自分の現在・過去・未来が鮮明になり、翌年である新年を迎える準備が整うような気がしてならないからである。

Juventus Legend

< Juventus Legend > Campioni d'Italia 2016 / 2017

6”sucudetti vinti consecutivamente dalla Juventus G” = ”6”


一方的な表現の仕方かもしれない。

しかし私自身は、プラスになっていると信じている。

そして受け取る側も、私の一年の想いがカードとなって届き、気には留めてくれるのではないかと想っている。

嬉しい、嬉しくないとは別に。

ToTò

Grande Artista < Antonio de Curtis, in arte ToTò > 1898 - 1967


マイナス表現はなるべく書かない。

言い訳もなるべく書かない。

Auricchio

< Gennaro Auricchio > 1877 – 2017

140° anniversario della fondazione dell'azienda casearia


一年間、どれだけ人に伝えられるコトをしたか。

どれだけ語れるモノを見たか。

どれだけ素敵な想いを共有できるか。

それは、日々の生活の中で。


今伝えられないことは、時間が手伝い、それはいつか伝えられる共有できることになっていることが多い。

Bacalà alla Vicentina

una pentola di terracotta con il < Baccalà alla Vicentina >

e affiancata i pezzi di stoccafisso e una forma di polenta


様々なFrancobolli Filateliciフランコボッリ フィラテーリチ(記念切手)に出会うのも一年の楽しみである。

イタリア食、ファッション、建築、デザイン、サッカー、映画、フィレンツェ、クリスマスなどグラフィックセンス記念テーマで選ぶ。

日本の記念切手も楽しいものばかりだが、イタリアもイタリアらしいデザインで日本に劣らず楽しませてくれる。

Carostello

< 60° Anniversario della prima messa in onda di Carosello >


今年は昨年同様、日本宛Priorityだと一通につき€3.70(480円前後)

普通Air Mailだと一通€2.20(300円前後)

ヨーロッパ内 no priority €1。

イタリア国内€0.95

正直、高い。

Lambrella

< Lambretta > 1947 – 2017

illustato da Franco Mosca degli anni Cinquanta

il Museo Scooter e Lambretta di Rodano(Milano)


高いけど・・私には・・チャットよりメールよりブログより、大切な手段だと信じて疑わない。

Borsalino

160 Anni di Manifattura < Borsalino >
il celebre cappello in feltro

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カテゴリー暮らし

継いだ記念切手 FrancobolliFilatelici2016

イタリアからの手紙

最後まで拝読していただきまして
ありがとうございました

4枚あるよ!いいことあるんでしょっ??!」

「お~~スゴイ!いいことあるよ!」

「お母さんの手術が上手くいきますように。」

「そうだねー。ありがとう。」

QuadriFoglio

私は白い箱の部屋で、白い天井と白い壁を見つめながら、白いシーツに包まれてゴロゴロ過ごした五月。

ちょうどその頃、季節は初夏へと入ったようだ。訪問者の服装でわかる。

白い箱の部屋では、テレビやITによる世の中の情報を断捨離し、精神統一に努めた。

後半、気力が戻ってきた頃、読書がゴロゴロ時間を助けた。


手術の要因は、八年前の卵管にできた大きな塊=腫瘍の除去手術の時、管の癒着が確実ではなかったことが原因だろうといわれ、そこから炎症という名で、新たなる腫瘍が管から外に飛び出し、私の体を探索していたようだ。

開腹することによって、探索の度合いが明確になった。探索するアメーバは、私の臓器に掴みながら進んでいた。

その探索中のアメーバを取り除くのに、時間を要し出血も伴ったそうだ。

医師たちは「痛みはなかったのか?」と驚いていた。

八年前のような緊急ではなく、今回は希望手術で予約して行われた。

手術は堅実に行われたようで、医師の様子から伺える。


白い箱の部屋で、ゴロゴロしながら思い出す。

少年がまだ二歳にもならない頃、急にママがいなくなり慌てたチビ。

翌日昼寝をしに、白い箱の部屋の白いシーツの細いベットで、母子二人で寝たっけ。

様子がわかったチビは、安心したようだ。

それから・・・

「マンマ、マンマ(ママ、ママ)」とパタパタ、向うからチビの声と足音が聞こえてくる。私を見るや否や抱きつき、安心すると、「ボッコッティ(ビスコッティ)」と、私の残りの朝食のビスケットを探し食べるチビ。


そして今、十歳の少年は、クールに対応する。

それでも私がベットから立ち上がって、彼らの訪問を迎えると、私に抱きつき少年の目から涙がこぼれた。

これを≪うれし泣き≫っていうんだよ、少年。

初めて体験したのではないかと思う。


私はその時堪え、彼らを見送った後、涙が溢れ出た。

もうあの頃には戻らない。

私は同じシーンを体験しているのに、マンマ・マンマ・・とパタパタ歩くチビは、あの扉からは絶対に現れない。

日々の生活だとそう気付かないことだが、その同じシーンに、二人の人物を見ているようでフシギだった。

Lettera Festa della Mamma

五月の二週目の日曜日、イタリアでも母の日という日がある。

少年は冊子になった手紙を私にくれた。

「今までたくさんのことを教えてくれてありがとう。

ボクのことを守ってくれてありがとう。」・・・と。

Fine Fiori

私は、ついに白い箱の部屋を去った。

Vinciの空は眩しく、すっかり季節は変わっていた。

甘酸っぱいオリーブの花の香りがする。

花びらが地面にたくさん落ちている。

ちょうど結実の頃のようだ。

たくさん実ることを祈る。

そして私たちも、気持ちの実、思い出の実、健康の実がもっともっと実ることを祈った。

Allegagione

その夜、新月だった。
真っ暗な空には、星たちが各々に輝く。
真っ暗な大地では、夜空を反射しているかのように、ホタルたちが各々に輝いていた。
「まだホタルいたんだね。」
「ボク、一人でも見てたよ。」


少年の見つけた四つ葉のクローバー
Quadrifoglioクワドリフォリオは、私たちに≪いいこと≫を教えてくれた。


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最後までご拝読して頂きありがとうございました。



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少年からの贈り物

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祖母とマキちゃん
ホタルカゴ


  ↓ありがとう↓


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