大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:Biodinamica

DSCN1320

DSCN1353

そう、このブドウの周りの葉っぱをとって
お日様の光に当てる作業までを、春夏の作業とひとくくりし
Potatura Verdeポタトゥーラ ヴェルデ(直訳:緑の剪定)の〆となる。

2021年、この夏のように干ばつで日照りが続くと
地下からの水分は干され、次は
呼吸している葉から水分を補給し
果実は潤いを保つシステムになっている。

だからたいてい、ブドウの周りの葉は
パリパリに茶色く枯れている。
自然のシステムだから心配ない。

キアンティ地方は灌漑設備は設けず
自然に育てることをモットーにしている。

DSCN1299

DSCN1313

ブドウたちは8月には、伸びる成長が止まる。
そのことを、Agostamentoアゴスタメントという。

成長が止まると、熟し始める。
葉っぱを枯らすまで水分補給した後は
自らお日様に当たって熟れていくのである。
すごいなぁ、本能って。
きちんと枯れる意味や、日の当たる意味があるのである。

それでも北側や枝の数が多すぎたり
上からダランと垂れ下がって影になっちゃったり
長い草が邪魔したりしていると
果実はじっとチラチラ差し込む光でゆっくり熟れていく。

その覆われた果実の周りの葉っぱを減らす作業を
Defogliaturaデフォリィアトゥーラという。

込み合ってる部分や特にSangioveseサンジョベーゼ(品種)など
キューッと引き締まったタイプのブドウは
ブドウ好きのTignoraティンニョーラ(蛾)が、ご馳走にし
チューチュー糧にしたり、卵を産んで住処にしたり
それも敵のクモが入ってこれないようなところに
幼虫は生まれ持った本能で
奥まったところに移動していくのである。

きっとVendemmiaを体験したことのある人は気づいたと思うが
グニャッと腐っていたり、ツーンと酸っぱい臭いがするブドウは
降水量が多すぎる時にもグニャが起こりやすいけど
Tignolaに寄生されていることが多い。

光を差し込むことで、敵に見つけやすくなってしまう
そんな目的もあって、葉っぱを取っているのである。

DSCN1330

DSCN1337

DSCN1347

葉っぱの取り方は、ブドウの周りだけ。
Femminellaフェンミネッラ(副梢)が邪魔してたら
それを除去することでわーっと空間ができる。
すでに副梢(新梢から生えてくる新梢のような枝)は
固くなっているのでハサミを使う。

あとは手で、ポキポキと下へ向かって落としていく。
上から日が差し込むし、腰が痛くなるので
自分が直立した位置からブドウが見えるようにすればいい。

Sfemminalleturaズフェンミネッラトゥーラ(副梢掻き)で
新梢から出ている副梢の根元からきちんと除去されていないと
収穫のとき、ブドウに目線を集中していると
その途中で切られている副梢が、目に刺さることがある。
だから収穫のときにメガネが必要なんだけど
トータルで作業をしている人や時間に余裕のあれば
この時に、収穫時の最終チェック、事故を予防できる。

こんなこと誰も教えてくれないけれど
作業が次の次ぐらいのことまで熟慮されていると
収穫のとき速く安全に作業ができるのである。

DSCN1364

DSCN1363

農主が、Tignolaにやられたグニャの部分を見せてくれた。
あぁ、幼虫が動いている。

農主は見つけるたびに悔しそうだ。
真夏、毎日観察していたのに
一週間ちょっと目を離した隙にTignolaが飛び回ったそうだ。
農業は、うかうか休暇さえもできない。

腐ったところは取り除いてくれという。

そして、この春の寒波の後
芽が出て実までついたのはよいが
生育がばらついた。

その未熟な果実はもう間に合わないから
青いブドウも取り除いてくれという。
ブドウの木の負担のためと
Vendemmiatoriヴェンデンミアトーリ(ブドウの収穫をする人)のためだ。
収穫する人は、もしかすると収穫は初めてかもしれない。
いちいち説明していられない。

私も他がはじまっちゃったら、農主の畑は手伝えない。
だからいろんなことを想定して作業をした。

DSCN1370

DSCN1388

春の寒波で失望した割には、豊満な果実がなっていた。
ブドウの木に果実がひと房だって作業を怠らなかった農主。
それなりの新梢が生まれ、それなりの果実が生まれた。

諦めずに手を施してあげると
ブドウのココロに届いているんじゃないかと
このプチプチのブドウをみて想った。

DSCN1292

空はウロコ雲で覆われている。
大気は朝、秋の吐息を吹きかける。
賑やかVendemmiaがはじまった。



☆こちらの記事もどうぞ☆
ブドウの芽掻き Scacchiatura
夏がはじまった il solstizio d'estate
愛おしいブドウたち Scacchiatura




Twitter・Instagram・Facebook・Ranking・BlogmuraをFollowすると
Blog UpdateのNotficasionが受け取れます。どうぞご利用ください。




Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。




にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ


Instagram
 ≫≫≫ obatamakivincirealmakici


DSCN0293

DSCN0288

雨が降るぞ。

Malvasia Biancaマルヴァジーアビアンカは摘んじゃいたい。

Vermentinoヴェルメンティーノもだ!

おしゃべりばっかりしてないで動け!動け!

汗ダクダク、口モクモク、手チョキチョキ。


DSCN0272

DSCN0273

マジ、暑かった...

どこかで雨が降っている。

そんな湿気混じりの夏も終りのトスカーナだった。


Veronaヴェローナ(ヴェベト州のある県)では

大雨、嵐、雹、洪水の被害を被った。

被害の映像をみるだけで身震いがする。

恵みの雨などといってられない。

嵐後の映像をみると

あの2014年のヴィンチの竜巻被害を思い出す。

ヴィンチの住人はトラウマなのだ。


DSCN0302

2014年の9月19日

tromba d'ariaトロンバダァーリア(tornado竜巻)がヴィンチを襲った。

竜巻の通ったところだけ大地の恵みは

渦に巻き呑み込まれていったようだった。

収穫前のブドウもオリーブもフルーツも野菜も。

cm...いやもっとあったかもしれない大きい雹は

住宅を叩きつけ、車を叩きつけ

木々を叩きつけ、大地を叩きつけ、収穫中の人をも叩きつけた。

ブドウの実どころか葉まで呑み込み

一気に冬がやってきたような風景だった。


家の周りはめちゃめちゃに

小学生の少年は荒れた庭をみて大泣きした。

私もこの先のことを考えると少年と一緒に大泣きしたかった。

車のフロントガラスが割れた。

窓だらけの現代風な家は、幸い現代的な分厚いガラスだったので

割れなかった。しかし、風圧で浮き上がる隙間から

まるで悪魔やオバケが忍び込むように

小さな雹までも入り込んできた。


たった1530分の出来事だった。

私は農主のブドウの収穫でランチタイムであった。

夫は近所のブドウの収穫でランチタイムに入るところであった。

少年は、小学校で仲間と肩を寄せ合っていた。


DSCN0319

いつものVendemmiaヴェンデンミア(ブドウの収穫)

グループチャットにメッセージが7月頃入った。

収穫を体験したい人は

このぐらいの時期に応募しておくといいかもしれない。

主たちがそわそわ収穫の計画を立てはじめる時期だ。

「今年できる人、手を挙げて~!」はい、はい、はい~

みんな家族な家族愛が強いキューバチームがいっぱい名乗り出た

でもあとでわかったことは、キューバチームは二人だけ選抜された。

が、8月はまだまだヴァカンス中で来なかった。


一人男子抜け、二人新規男子が加わった。ほっ。

女子でもできる仕事だけど

やっぱり男の力や体力には敵わないことがある。

Svuota-secchiズヴォタセッキとは、摘んだブドウが入ったバケツを

トラクターのブドウの収穫用の破砕トレーラーに

ブドウの実を放り投げる超肉体労働と

女子にもできちゃうけどこれやってたら疲労が早くきちゃうなという

Passa-secchiパッサセッキとは、ブドウを摘む作業をしながら

外側の列にいる人のバケツをトラクター側に運んであげる人

1台のトラクターにつき4列、1列に二人ずつだと

二人パッサセッキ、一人ズヴォタセッキ

トラクターの列はできたら男子で交代でズヴォタセッキとなると

男子は五人いて女子四人が理想な組み合わせなのである。

もちろん全員若い男子だと、みんなが文句言わずに交代で

めちゃめちゃ頼もしいからそれはそれでいいんだけど

老若男女国籍問わず雇ってくれる主には感謝である。


DSCN0321

近頃そういうわけでボス付き協同組合的グループがわーっときて

わーっと収穫していく方法をとる農園が増えてきた。

しかしこのコロナ禍で、そのわーっとグループが

移民や外国人だったことから、イタリア人にもこの肉体労働が

回ってきたんだけど、職難にもかかわらず

やっぱり収穫の仕事は、疲労にみあわない賃金と

肉体労働ということで、勉強をいっぱいしてきた者たちは

オフィスワークに希望を抱いているようなのである。


だからコロナ禍でも在住外国人のわーっとグループに頼るようだ。

彼らわーっとグループは畑面積や収穫量で見積もるので

わーっと大人数でやってきてわーっと短期間でやってしまった方が

儲かるという仕組みなのである。


しかし彼らを雇う欠点は、忙しないので作業が雑ってところと

外国人ばっかりなのでコミュニケーションが主ととれないところにある。

主とのコミュニケーションは、作業をしないボスとのみ...


DSCN0284

本業アンド只今失業中のグループは、マイペースに時給制である。

利点は、コミュニケーションがとりやすい

主がダイレクトに支持できる、その分作業が丁寧

欠点は、イタリア人のおしゃべりw

だから遅いのなんのって!

でもさ、本人たちは喋ってても手を動かしてる!って主張してるw


ワタシニッポンジン、前に一度農主に注意されたことがある。

マキって静かだよねって。えw

もっとさ力を抜いて喋っていいよって!

喋り過ぎはもちろんNGだけど

一年に一度の収穫で集まるんだから楽しくやろーよって!

そう言われてから、農業のチームワークの心得みたいなことを

学んびはじめた気がするし、そう覚えがある。


作業中におしゃべりを試してみたら

私手が止まっちゃうということがわかった。

なぜなら、話すときは話すときで集中して一生懸命なのだ。

二つ同時にできない。

そういう理由でイタリア人を褒めてやった!

アナタタチは同時にいろんなことができてスバラシイw


だから本題は話の尽きないイタリア人に任せて

私は耳をそばだてツッコミとチャチャを入れるとき

どうしても議論しなければいけないとき

自分がやってることや趣味のアプローチのときなんか

楽しく参加して作業をしているのである。


一度ヴェン友(Vendemmia友だちの略にする)になると

家族構成から人生史、好きなことや好きなもの

嫌いなタイプや面倒なこと、考え方や思考や理想

様々な意見が聞けて、やっぱり一人で悶々と考えるよりは

視野や世界観が広がり、むしろ生きる勇気が出てきちゃうのである。


長年農業を本職としてやってきた新規男子は

どの時代もどのメンバーが集まっても騒々しいのはおんなじだし

あっちもこっちも鼠径そけいヘルニアになっちゃったから

これが最後の収穫だ!と気が抜けるようなことを騒いでも

私はやっぱりブドウの収穫が楽しくて好きだっていうことがわかった。


ウエストポーチに小型カメラ、ティッシュ、身分証明書、携帯電話

それから小さな水筒、ハサミを腰につけて

帽子を被って、長袖かアームカバー、首に手ぬぐい、長ズボン

足首も守るトレッキングシューズを履いて

あ!UVサングラスもつけて、もちろん軍手して

完全防備状態で挑むのである。

近頃、マグネシウム・リン・ビタミンCのサプリをのんでドーピングw

毎朝、農園の主がコロナ熱測って

マスクは携帯して必要な時つけて

作業用メガネも安全のために配ってくれた。


DSCN0308

未熟なブドウをMostoモスト(果実)で欲しい人用と

アルコール度数が低い未熟なブドウで造る

Vino Frizzanteヴィーノフリッザンテ(微発泡ワイン)用のブドウを収穫した。

そして雨が降る前に、実がギュッと引き締まっててカビやすい品種の

Malvasia Bianca100%用も収穫することにした。


日中、暑くて汗が垂れてくる。

水ばかり飲んでいる。

一日八時間。帰ってバタンキュウ。一寝入りしちゃうこともある。

夜、映像のような向こうの雷空をみて怯えながら夕食をとった。

夏は終わった。...そうみえた。



*私がセレクトした過去の関連記事Best 3 Archivi Selezionati

ヴェン友Vendemmia2019 vol.1

まだ夏のブドウの収穫Vendemmia2018 vol.1

早々ブドウの収穫Vendemmia2017①



Grazie di aver visitato!

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。




にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ


Instagram
 ≫≫≫ obatamakivincirealmakici



Potatura Seccaポタトゥーラ セッカ(冬の剪定)と呼ばれる期間


芽生える前の樹形を整える剪定


Strecciaturaストレッチャトゥーラ o Stralciaturaストラルチャトゥーラ

呼び方が二つあるが意味は同じこと

剪定後架線に残っている枝を取り外す作業


Legaturaレガトゥーラ

一番下の架線にしっかり縛り付ける作業



Potatura Verdeポタトゥーラ ヴェルデ(直訳;緑の剪定)と呼ばれる期間


Scacchiaturaスカッキアトゥーラ


Allacciaturaアッラッチャトゥーラ 

棚の架線に縛るもしくは絡める作業=誘引


Sfemminellaturaズフェンミネッラトゥーラ 

二番芽除去作業=副梢掻き


a)Cimaturaチマトゥーラ b)Capannaturaカパンナトゥーラ

一番上の架線を超えた枝を処理する作業=摘心

a)切りそろえてしまうこと、特にマシーンで特に農薬農園に人気 

b)グルグル架線に巻きつける、手作業で有機農園に多い


Defogliaturaデフォリィアトゥーラ

ブドウの周りの葉を除去する作業

その年の気候に応じて行う。


DSCN9979

Scacchiatura芽掻き作業


DSCN1572

Doppioneダブル新梢


春も落ち着いた4月頃、ブドウが芽生え枝(新梢)が生まれる。

急成長に伸びブドウの莟(形はブドウのまんま。花穂)が付きだす。

手のようなViticciヴィティッチ(複;つる、巻きひげ)が出始めた頃

Scacchiaturaスカッキアトゥーラ(芽掻き作業)がはじまる。


バイオダイナミック農法では、Luna Discendenteルーナディシェンデンテ

(28日間のサイクルをする回帰運動中

月が黄道の秋分点から春分点へ向かう下降側の14日間)

の期間に行うのがベスト。

この期間は、エネルギーが地下で活動するため

傷を伴う剪定作業をすることで、植物への負担を減らすことを狙う。

なるべくこの期間に終了させることを努めるが

できなくっても毎年毎度の気持ちは植物に伝わっている。はずだ。

天気と見合わせていると、植物の成長とカレンダーに追いつかない。

仕方がない。後のケアでまた気持ちを寄せたい。


DSCN8999

Viticcioつる・巻きひげ


この芽掻き作業はとても重要で

ブドウを美しい味にする秘訣でもあると私は豪語する。

剪定で樹形を整えたら、狙いの芽から生まれる以上に

もっともっと生まれてくるのはどの植物でも同じである。

それは、剪定して抑制しているからだと私は思う。

その狙いの枝以外の芽生えを取り除くことを芽掻き作業という。

ときに同じ芽から二本生えてきてしまうこともある。

小さいのがいっぱい生えてきてしまうこともある。

狙いの枝を残し必要ない枝は掻き

それでも来年冬の剪定で使えそうな枝は残す。

そう、剪定士は、過去と現在と未来を常に植物の体を眺めながら

操作と作業をしているのである。


DSCN2229

Sperone腕枝


一本の枝(新梢)から二房なる。

一本の木に

Cordone(主枝) speronato(腕枝付き)コルドーネスペロナート

という樹形であれば、45つのスペローネ(腕枝)があり

その各スペローネに二本の枝(新梢)

プラス場合に応じて樹形が狂ってきたら

もう一本元気な枝を残す。これは来年実になる枝。

これで、810房のブドウが収穫できる予定。

しかし、今年は冬の降水量が少なかったせいで

一本の枝に二房ない。一房かゼロ。

房の数状況をみながら、芽掻き作業をした。

この樹形は、混み合いがちになるなので

私も農主も好きではない。


DSCN9950

 Cordone speronatoブドウのある樹形、トスカーナに多い   Prima


DSCN9951

Dopo


そして、Guyotグヨー

この樹形はCordone speronatoの原型なのだが

この形を毎年継続することができる。

混み合わず、毎年新しくできるので一番理想な樹形であると

注目を浴びている。こちらは枝の縛り付け作業が必須。

一つのスペローネに二本

去年の枝(母枝)から35本の新枝(新梢)を残して

あとは掻く。スペースや位置、元気度や来年をみながら。

こちらの少量降水量の影響は、均等に芽がでなかったこと。

房の数など様子をみながら掻いていく。


DSCN8996

Guyotブドウのある樹形、トスカーナに多い


芽掻き作業をこの時期に推薦するのは、早めにすることで

ブドウの実へのエネルギーが集中しやすくなることが一番

エネルギーを集中させることで

より豊満で濃厚なブドウができるのである。

そして、混み合わず、触れ合わず、換気がよければ

湿気の多いブドウの実へダイレクトに病気を防げるのである。


DSCN9377


複数の農園に携わったが、この芽掻き作業の慎重度は

確実に結果として出ている。

農園の主の性格や情熱が、やっぱり、やっぱりブドウにでる。と想う。

その後の醸造のテクニック能力はわかりませんがw

ワインのイベントでワインを買うとき

農主の情熱的な語りにポイントをおいてみることをお奨めする。



*私がセレクトした過去の関連記事Best 3 Archivi Selezionati

ブドウの芽かきScacchiatura

もぞもぞ成長、BIOでいることScacchiatura

バイオダイナミックワインの瓶詰めImbottigliamento



Grazie di aver visitato!

最後まで拝読していただきまして、ありがとうございました。




にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ


Instagram
 ≫≫≫ obatamakivincirealmakici

DSCN2968


バイオダイナミック農法カレンダーでは

2月入って間もなくして剪定に適した

Luna discendenteルーナディシェンデンテ

(約28日間のサイクルをする回帰運動中

天の赤道から23.4度傾斜した太陽の見かけ上の通り道である

黄道の秋分点(黄経冬至方面90~270度)側の約14日間)

エネルギーが地下へ集中するので地上での例えば剪定などは

この期間にすることで傷口への負担が少ないもしくは治癒が早い

という見えないエネルギーが天地を交信させている。

私は、完全バイオダイナミック農法を採用していないが

直接的な日や間接的な月、生命を宿う土や呼吸する風

この世になくてはならない水に関する観念だけでも

是非とも栽培に取り入れたい。

人間が鈍感なだけで、私たち以外の生物は

天地と共に生きている、と私はそう思っている。



DSCN1180


マリアトゥーンのバイオダイナミック農法のカレンダーを入手すると

たちまち意識しながら行動できて、様々な一致に気付かされる。

例えば日常の中で気付きやすいことは

パン生地(私の場合はピッツァ用に)を捏ねているときによく分かる。

空気に関する花の日(Giorno di fiore/水瓶・双子・天秤座)や

火に関する実の日(Giorno di frutto/牡羊・獅子・射手座)は

しっとり捏ねやすく醗酵が早くよく膨らむ。

それ以外の日だと、同じ容量で捏ねているのに硬いし醗酵が悪い。

海水の満潮や干潮なども天との交信だし

生物の産卵なども月の満ち欠けに関係している。

樹の傷口の回復力は、自力の治癒力をみればよくわかる。



DSCN2948


バイオダイナミック農法に完全に従っていくと

誰でもできるオリーブ栽培やトマト栽培ではなくなるようで

もう少し手間や信仰を軽減したいと私は考えている。

それは、自然栽培家木村秋則作«土の学校» という

「農薬を使わない栽培、その秘密は土にある」

という本を読んで、行き当たるところは自然農法の考えだった

というところに私は、自然農法とバイオダイナミック農法の

合体を描きながら進めているのである。

地下の大切な役割は微生物たちだということを忘れてはいけない。

最近では耕作も疑問をもつ人がSNS発信をしている。

それは微生物を殺してしまうからであるという。

そこが自然農法の考えなのだが

バイオダイナミック農法は、耕作して緑肥をして

牛の角に糞を詰め発酵させて生まれた微生物を

撒き散らすやり方だ。この作業に牛が必要なのである。

ここにまず難点を覚える。

だからこの牛糞の醗酵肥料をとばす人が多い。わかる。

緑肥はいい方法だと思う。

小さな畑であれば緑肥にもなるマメ科類やアブラナ科類を

時期を変えて植えれば、野菜が

前期のマメ科の根っこのバクテリアが肥料となってグングン育つ。

しかし、あくまでも私の考えだが

オリーブ栽培にマメ科やアブラナ科類などの背丈のある緑肥は

向いていないと私は思っている。

それは、オリーブの樹形が

地面から50cmほどに垂れ下がっているからである。

新芽が出る前に1mの高さで剪定しても

緑肥を刈り込みたい時期にはもう成長していることがほとんどで

緑肥で混み合い風通しが悪い環境でカビになりやすい

と私は信じて疑わないのである。

バイオダイナミック農法でワインを造る農主にも緑肥を勧められるが

そこだけは弟子でも納得いかないところなのである。



Prima di Potare


それではどんな方法がいいか。

一軒プライベートの大きな庭のオリーブの管理をしているのだが

そこは日当たりが物凄く悪い。

しかし、元気で豊作で丈夫なのである。

その土地の特徴は、日当たりが悪い分

微生物が好むようで土がふさふさであること。

草が生えて日を求め背丈が伸びてしまうので

まめに草刈りをしている。

その草は、私たち人間にも栄養効果のある野草、イラクサが

一面中に、ときどきタンポポやビーツなんかと競争している。

どれも薬草並のハーブで、むしろイラクサで植物の病を治す

バイオダイナミック農法の方法の一つである。

だから、私は、役に立つ野草が一面にあることが

私たちの生活にもオリーブにも適しているのではないかと

近頃とても強く思うのである。

とにかく背丈が低く役に立つ野草で踏まれても動じない

できたら花が咲くタイプ。

ハチがいっぱい来て受粉も手伝う天国のようなオリーブ畑が

いっちばん理想なんじゃないかと思い描く。



DSCN2947


2019年の秋、ちっとも収穫ができなかったこの畑で

今年もオリーブの剪定を始めた。

昨年の開花時の低気温で、実ではなく枝を増やしてしまった

オリーブたちは賑やかに鬱蒼としていて、見るだけで疲れてしまう。

樹形は今まで整えてきたから

今年はこの元気よく生えてきたエネルギーを吸ってしまう新枝を

取り除く作業がメインとなる。



*私がセレクトした過去の関連記事Best 3 Archivi Selezionati*

オリーブ剪定士 Potina

天は白の隙間な剪定 Potatura degli Olivi①

頭も木もグルグル剪定 Potatura degli Olivi vol.1


Grazie di aver visitato!

最後まで拝読していただきまして、ありがとうございました。




にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ


Instagram
 ≫≫≫ obatamakivincirealmakici



もう4月も終わるっていうのに、何も進んでない!

いや、進んでるけど、遅い。

そろそろトマトを大地に独り立ちを考えてもいい頃だし

ブドウの芽掻き作業(Scacchiaturaスカッキアトゥーラ)

中盤か一段落していてもおかしくない。

オリーブの花の芽(MigneミンニェMignolaミンニョラ)

どうにか生まれてきた。Migneを確認するとほっとする。

雨が降ると寒くなるのはわかるが、雹も混じって寒々しい。

向こうの景色は、カラーが一変して

白黒のコントラストが鈍い一面と化していた。

まるで画像ソフトをいじっているかのように。


DSCN1550


ブドウの芽掻き作業を開始して終わらせないと

私は日本に出発できない。・・と自分の中で決めている。

いつ始める?

うん。もう始めてもいいよ、先週一気に成長したから。

どこから始めて欲しい?

サンジョベーゼの奥の畑から。

私は天気と祝日などを見合わせながら始めることにした。

今年は、春休みが長かった。

イースター(21)、解放記念日(25)また週末

少年は11日間の春休み。

少年に先生になると休みが多いと教職の進路を勧めてみたw

もう5年は経験を積んだので要領はわかっている。

芽掻きキットを農主から借りて急いで始めた。

キットとは先の尖った小さなハサミと枝の縛り忘れ用の紐。



芽掻き作業は、質を優先する主であれば必須作業である。

量を優先するようであれば、誘引作業のときに

副梢(Femminelleフェンミネッラ)をも切り落としながら

二つの作業を一度に済ませるであろう。

丁寧にブドウと向き合うと、作業が全て繋がっていることが分かる。

剪定では、今年用と来年用の枝を残しながら樹形を保ち

一番下の架線に縛り付ける作業では、芽掻き作業をしやすく

枝が込み合わないように方向付ける。

芽掻き作業では、次の剪定で使える枝を残し

バランスよく空間をつくり

一本のブドウの木から814房のブドウの実が成るようにし

その他の余分な芽を排除する。

ブドウは上へ伸びていく性質なので、枝縛りを忘れていると新枝は

素直に上へ、しかし縛り付けると横向きになってしまうのである。

だから枝に縛り付ける作業も

芽が出てきてしまってからでは遅いのである。

芽掻き作業も、遅くなると新枝が硬くなってきたりするし

ブドウの実に集中させたいエネルギーが

分散されすぎてしまう。

そして芽掻き作業のメリットは、成長の集中力の他

空間をつくることで風通しが良くなり病気になりにくいことである。

こう柔らかい新枝が誕生してくる頃に雨が降りすぎると

カビが発生しやすい。

だからブドウ畑では今カビを抑える消毒の為の銅を吹き付ける。

その銅に硫黄を混ぜて虫除け効果も期待している。

その柔らかい葉っぱをブドウに寄生する虫たちには好物で

今!を狙って食べたり産卵しようとホルモンがうずくのである。

・・とbio栽培だと消毒と虫除けで

銅と硫黄のミネラル成分を利用する。

農薬栽培のところは、カビも虫も殺すのである。

Bio栽培の場合、表面に散布するのだが

農薬は、浸透させる方法なのである。ブルブル


DSCN1578


農主はまだ緑肥(Sovescioソヴェーショ)を刈っていない。

草も刈っていないところがある。

もうそろそろ急いで刈らないと、ブドウの手が生えてくる。

ブドウは、自ら体を支えようと手が出てつかもうとるすのである。

風でつかむことができたり、手を伸ばしたり。

その手が草につかまってしまうと、草を刈ったときに

ブドウの枝まで折ってしまう事態となる。


DSCN1555

トラクターが壊れちゃってね。

そうなのかぁ、こんなときに。

農主が娘さんと現れた。トラクターの分の時間であろう。

初めて畑に興味を持った娘さんに教えている。

ときどき日常の報告をしている。

バッボ(Babbo お父さん)と言いながらアドバイスを委ねている。

農主は幸せそうだった。

最近ワインも良く売れているそうだ。

幸せそうな人に、でもさ、と忠告するような意見は言いたくない。

しばらく幸せの時間をつかむのもよいではないか。

どうせ問題なんて欲しくなくても降って現れるものなんだから。

私だってついこの間まで幸せだなー順調過ぎるなーと思っていたら

やっぱり自分の思うように進まなく落ち込んでいたんだ。

でも方向や思考を修正すれば、すぐ開き直っちゃうんだけど!

落ち込んでたって仕方がない、前進しなきゃ。

つかみながら成長していくのだ!


DSCN1593

日本でワイン会するのにどれにしようっか。

単種と混種、白1本赤3本にしよう。

トレッビアーノ、サンジョベーゼ、カナイオーロ、キアンティバーゼ

オリーブオイルは、早摘みと遅摘み。

どんなこと伝えようかな。

どんなことが知りたいのかな。

農主のビオディナミワインと私のオリーブオイルの会を開催します。

新宿の小料理店では満員御礼。

日本にいる間にもっとできるかな。

興味のあるレストランはご連絡ください。


DSCN1580

いろんなことを妄想しながら

緑肥のグリーンピース(Piselliピゼッリ)を家族へおみやげ。

あっという間に食べちゃった。

料理で使おうと思ったのに。

11月蒔きのグリーンピースは今が旬!あまい~



*私がセレクトした過去の関連記事Best 3 Archivi Selezionati

量より質だ!その2 Scacchiaturacontinua

ブドウの芽掻き Scacchiatura

ブドウのダンス Viticcio


Grazie di aver visitato!

最後まで拝読していただきまして、ありがとうございました。




にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ


Instagram
 ≫≫≫ obatamakivincirealmakici



↑このページのトップヘ