大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

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Corso di Agricoltura Biodinamica

コルソ ディ アグリコルトゥーラ ビオディナーミカ

【バイオダイナミック農法講座】


「大地を活かすのだ!

たくさんの種を蒔くことで、大地のたましいは健やかで肥沃な土壌をつくる。根は資源を吸収し、痕跡をつくる。その痕跡は、天地の万物である。」

と、フィロソフィックに熱く語る現代バイオダイナミック農法を推進するAgronomoアグローノモ(農業経済学者)Leonello Anelloレオネッロ アネッロ氏。

Corso

Biodinamicoビオディナーミコは、生存するチカラを活用する。

私たちが生きるために食べていく食物を、化学肥料や農薬そして化学合成物質で味や栄養、成長を調整するのではなく、一つ一つの個体が持つチカラが調和されて、ホンモノの食物が生まれる。

nel Montalbano

農作は決して自然ではない。生きるために知恵を使って、常に人類の手で創り上げてきた。

森は自ら生きている。

私たちは生産しなければならない。

Agricoltura Biodinamicaアグリコルトゥーラ ビオディナーミカは、Sovescioソヴェーショ(緑肥→マメ科・アブラナ科・イネ科を肥料として蒔いて青刈りし、耕土に施し大地に栄養を与える)をすることで、土壌の性質が均一になり活性化するという。

Sovescio

冬の始めの霜月、大地のチカラが地下に滞る頃、大地の表面を耕し、緑肥作物を蒔く。深く耕さないことで泥からまないそうだ。


生産者は、視・聴・嗅・味・触の感覚を使ってよく観察する。

Elementiエレメンティ(エレメント→光・風・水・土)Eteriエーテリ(エーテル→熱・乾・湿・冷)のリズム、天体の動き(太陰暦黄道座標十二宮惑星)を調和させる。


Rudolf Steinerルドルフ スタイナーが発表(1924年)したバイオダイナミック農法よりさらに研究された現代法(1991年現代バイオダイナミック農法で更新)で進化させたいようだ。

BiodinamicaNaturalistaナトゥラリスタ(自然主義者)ではないとズバリいう。
トラクターや機械だって反対ではない。
疑念があるならば、牛だって馬だって使えという。
土を耕すことにあるようだ。

土壌や位置、気候の違う大地で、まずは実験すべき、という。

Montalbano

そんなことを言われ、私が管理するオリーブ畑や小さな我が家の菜園が頭に浮かぶ。

私が住むVinciヴィンチや協力しているブドウ畑のCerreto Guidiチェッレート グイディは、バイオダイナミック農法を実施している農園が数多くある。彼らを参考に、できる範囲で大地を活性化させたい・・と、帰り道参加したG.A.S.グループと語り合った。


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Agronomoアグローノモ(農業経済学者)Leonello Anelloレオネッロ アネッロ氏は、多数の農園のTecnicoテクニコ(農作技術を経済も含め進行させる専門家)業以外に↓の協会で学者としても活躍している。


AssociazioneBio-Distretto del Montalbano

アッソチャッツィオーネ ビオ-ディストレット デル モンタルバーノ
 
BioDistrettoMontalbano

Firenzeフィレンツェ県・Pistoiaピストイア県・Pratoプラート県を跨ぐ山-Montalbanoモンタルバーノを囲む10の市町村で結束された、環境・農業・生物・健全性を尊重し、オーガニック・バイオダイナミックでの生産を推薦し、地球と体を守る意識を広げる会。

誰でも参加できる集会や講演会を繰り広げ、ドンドン知識を増やしていく。

また、未来の地球を守っていく子供たちの学校給食を全てオーガニックにしよう!!という運動もしている。



Viticoltura Biodinamicaヴィティコルツゥーラ ビオディナーミカ
DSCN2714

現代バイオダイナミック法のブドウ栽培を推進する協会

集会や講演を繰り広げ、普及させる。



*関連記事*

カテゴリー【BIO講演】【ブドウ

地球と体を守る会 パート3:バイオダイナミック農法推薦

地球と体を守る会 パート1:農薬による危険性

ブドウの苗木Barbatella

ブドウの接木Innesto

ブドウの芽かきScacchiatura


ありがとう↓

Convegno di VitiViniColtura Biodinamica Moderna

コンヴェーニョ ディ ヴィーティヴィーニコルトゥーラ ビオディナーミカ モデールナ

【現代バイオダイナミック法によるブドウ栽培ブドウ酒造の集会】

『パート3:バイオダイナミック農法推薦』


午後、Alchimiaアルキミーア(錬金術)の歴史から始まった。

古代エジプトに起こり、アラビアを経てヨーロッパに伝わった原始的な化学技術。卑金属を貴金属に変化させたり、万能薬の研究などを哲学・神学・医学・宗教・心理学・化学と様々な視野から考えた術。

バイオダイナミック法は、こんな時代に遡る。

とても興味深く、居眠りなんかしてられない。


Ariaアーリア()Acquaアクア()Fuocoフオーコ()Terraテッラ()

生体力であるこの4つのElementiエレメンティ(要素)は、芸術においても表現されている。

FirenzeフィレンツェPalazzo Vecchioパラッツォ ヴェッキオSala degli elementiサーラ デッリ エレメンティで伺えるそうだ。(一例)

そして、7つの金属元素を7つの太陽系惑星と関連させ、シンボルが生まれた。

そのシンボルも芸術で表現されている。

FirenzeフィレンツェGalleria degli Uffiziガッレリア デッリ ウッフィッツィStanzino delle Matematicheスタンツィーノ デッレ マテマーティケや、BotticelliボッティチェッリPrimaveraプリマヴェーラAlchimiaアルキミーアシンボルが伺える。(一例)

さらに、現在のAmbulanzaアンブランツァ(救急車)Farmaciaファルマチーア(薬局)のシンボルもAlchimiaアルキミーアからきているものだそうだ。

Alchimistaアルキミスタ(錬金術師)の発見で、塗料も生まれている。


太古から存在する錬金術は、現在の化学物質を扱う技術の基となっている。


そこで、Rudolf Steinerルドルフ スタイナーが発表した頃のバイオダイナミック農法よりさらに進歩した現代バイオダイナミック法での農業を*viticolturabiodinamica.itヴィティコルツゥーラビオディナーミカ(バイオダイナミック法ブドウ栽培協会)Agronomoアグローノモ(農学士)Leonello Anelloレオネッロ アネッロ氏は断然と推薦する。

Naturaナトゥーラ(自然)Agricolturaアグリコルトゥーラ(農作) なんだそうだ。

土地を上手に利用し、植物を守る工夫をする。

植物の病気をよく知る。

作業の時期を確実にする。

などなど掻い摘んでいうと、そんなようなことを言っていた。


そして、機械化されたブドウ園の映像を見せた。

機械でザクザクザクと剪定され、機械でバサバサバサと摘心し、機械でグオォォォォォと収穫する。

ブドウは裸で鞭を打たれているようなものである。病気になるのは当たり前だ。

草が生えれば除草剤を撒き、虫がつけば殺虫剤を撒き、病気になれば薬で治す。農薬は、呼吸をしている葉から、栄養を吸い取る根から樹内に浸透していく。樹内から抵抗させるのである。

Anello氏は、栽培についてしか言わなかったが、その後も簡単に想像できる。

発酵させる薬、透明にさせる薬、味を調整する薬、保存させる薬をごちゃまぜて、安くておいしいワインとやらが出来上がる。食卓では、鈍感な舌で化学飲料と化学食品を味わい続け、病になる。

全て個人の選択だし、個人の責任だと私は思う。

しかし、健康や自然・未来を長~い目で考えると、必然的に守りたくなってくるはずだ。


私も以前は、オーガニック食品や商品は値段が高くてなかなか手が届かなかった。・・・と思い込んでいた。

しかし、G.A.S.(ブログ『GASローカル興しのBIO商品』)のような方法で購入し始め、大地の恵みを吸い込んだ野菜や果物を食べだすと、野菜を含む産業食品の味がだんだん口に合わなくなってくる。

今や、フシギと夢のようだったオーガニック商品を購入し、知らずと他を節約しているようだ。

そして長い目で見ると、自然も体も病知らずとなり、実は経済的なことに気が付くはずだ。

そう納得した一日。


Anello氏は”文化を変えなくてはいけない!!”と熱く語る、'500年代の屋敷の窓から窓へ聴衆者の間を通り抜ける風が心地よかったVilla Medicea di Cerreto Guidiヴィッラ メディーチェア ディ チェッレート グイディの一室であった。

Convegno nella Villa Medicea


午前の部もどうぞ。↓

『パート1:農薬による危険性』



*viticolturabiodinamica.itヴィティコルツゥーラビオディナーミカ

現代バイオダイナミック法のブドウ栽培を推進する協会
DSCN2714

集会や講演を繰り広げ、普及させる。

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