大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:Passeggiata

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Go To バカンス シリーズVol.5のつづきです。

ついに最終回。



今日は最後の朝食だ。

初日お腹いっぱい!と全部食べきれなかったフルーツは

「持っていきなさい。」とシニョーラが容器に詰めて

少年に持たせてくれた。

食べ物が残ると、これどうするのかな、捨てちゃうのかなと

私たちは心配に顔を見合う。よかった、察してくれて。

しかし、最後の日は、お腹とか慣れてくるのか、完食!

イングリッシュスタイルだから、塩系で焼きものまで登場する。

甘系はイタリアン男子に任せ、塩系はニッポン女子に任せて!


実はまだその頃Bonus Vacanzaボーヌスヴァカンツァ

(日本でいうGo To トラベルのイタリアバージョンだと思う。)

がはじまったばかりで、シニョーレはまだ会計士に

相談をしている頃であった。

大丈夫かなぁと不安な表情がでてしまったのか私たちをみて

「キミたちのせいではないよ、用意ができてなかったわたしのせいだ」

私は、ここはイタリアだからスムーズにいかないはずだ

きっとそんなことだろうと思い、初日からQRコードと

コードナンバーをシニョーレに渡しておいた。

滞在中に動いてくれれば、直接話せる。

私たちは、20%をカードで支払った。現金より記録されやすい。


来週から、いくつか予約が入りはじめたそうだけど

みんなボーナスバカンスで来るそうだ。

シニョーレは苦笑い顔でいう。

私たちも苦笑い顔で言葉はない。

「でもさ、あとで税金減るんだしおんなじだよ。」と付け加えた。

「一度ボーナスバカンスのしくみを覚えれば次からは簡単なものさ」

とイタリア人ぽいジェスチャーでこたえてくれた。


別れ際、シニョーラは少年に「言語をしっかり勉強するのよ!」と

言った。少年は私から周りから耳にタコができるほど

言われてるもんだから、ニヤニヤしながら下向きでSiと返事をする。

私もニヤニヤしながら、ホラみろ!とつっこむw


「みんなで写真を撮りましょうよ!」と提案したが

シニョーラは嫌がった。シニョーレのB&Bへの尊重なのか。

だからシニョーラが少年のスマフォで私たちの写真を撮ってくれた。


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B&Bを出発してから、なんだか寂しい気持ちになった。

バカンスが終わっちゃうのもそうだけど

日と時間を重ねるたびに、人との距離がだんだん縮まってくる。

「今日もシニョーレのところに帰りたいな。」

なんてことを少年までもが言い出す。

大人は気持ちを抑えて黙ってたけど、子どもは正直。

また来よう。


少年はこうやって出会いと別れを覚えていく。

昨年の日本の旅でも、私のアルバイト先のシェアハウスや

泊まらせてくれた友人宅にまた行きたいと何度もいう。

体験した思い出の積み重ねや旅の気づきを

人生に反映していくことが、実は出会いと別れの

醍醐味なんじゃないかと私は想っている。

どんな人でもどんな旅でも一期一会なような気がするし

その全ての別れのある出会いをどう表現するかは

自分の人生のあるタイミングで思い出すことのような気もする。


まだ少年は親を必要とする子どもで

そうやって素直にポロッと表現するから、私もわかりやすいし

むしろ私たち大人が慣れにスルーしてしまっているこの大切な機に

一緒に考えられたことは嬉しい。

そういう気持ちになれたB&Bのカップルに感謝したいし

そういう気持ちが持てたことはラッキーだと思う。


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私たちは、あのサラミ屋さんに寄って

ヴィンチへお土産(私たち用w)にする

あの三種類のサラミを買い込んだ。

クーラーボックスのB&Bでカチンカチンに凍らせた保冷剤は

用意万端である。直に触れないよう冷えた水の上に置いた。


シニョーラが初日から忠告していたUmbriaウンブリア州に入った

Castellucio di Norciaカステッルッチョ・ディ・ノルチャ

(ノルチャ自治体の中のカステッルチョという小さな村)の一帯は

SNSの評判で観光地となってしまって渋滞までおき

土日は避けなさいと、気分悪そうにいっていた。

親友がいるようで、日々苦情気味に愚痴るらしい。

その忠告をいただいたおかげで、私たちはノルチャルートを

月曜日の帰路日のルートに盛り込むことにした。


ここのB&Bから1時間以内でParco Nazionaleパルコナツィオナーレ

(国立公園)のMonti Sibilliniモンティ・シビッリーニ(シビッリーニ山脈)

の様々な地へ辿り着けることがわかった。

今目指しているカステッルチョもシビッリーニ山脈の麓にある。

しかし、マルケ州からウンブリア州へ山を超えた向こうにあり

わーわー興奮しまくりの緩カーブ多しの山道ドライブとなった。


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寒い。

車の外気温が20℃となっている。

さっきまで28℃とか30℃まであった。

標高が高いのであろう。

冷たそうな岩が突き出ている。

冷えた空気は澄んでいる。

森だらけのアペニン山脈より高原とか岩っぽいシビッリーニ山脈。

今にも野生のヤギとかシカとかいそうな景色である。


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ところどころトレッキングができそうな入口があった。

路を挟んだ右と左にいくつか出発点ともなるトレッキングコースの

ちょっとした広場に、屋台が出てた。

「あそこで食べてこ!」うんうん。

車の外気温16℃。

少年がプールあがりのように青白くなっていた。

日焼けしはじめてちょっぴり浅黒くなったって喜んでたのにw


一つの屋台では、クラシックなノルチャ産のチーズやサラミをおいて

お土産とパニーニをつくってくれるご夫婦屋台。

もう一つは、ワガママ若者にも対応した

ホットドックなんかもつくってあげるよ屋台。

私たちは、興味津々のローカル商品を味見もできちゃう

クラシック屋台で、そのご夫婦が営むファームの羊のチーズ

かのPecorino di Norciaペコリーノディノルチャ

あまり熟成されてないぐらいのチーズをお土産に

ファーム自家製の生ハムパニーニをこしらえてもらった。


残念なのは、ゴミが溢れていたことだったけど

外に設置されていたテーブルと長椅子に腰掛けて食べた。

すると、となりの年配女子(!)三人もパニーニを頬張っていて

どうやら夫たちに「今パニーニたべてるところよ~」と報告していた。

でね、でね、と興奮気味だ。

「でね、今さっきCastellucio di Norciaに行ってきて

お花畑をみてきたのー!すーんごいキレイだった!

もうすぐ満開が終わっちゃう時期に入るみたいなんだけど

まだまだ咲いてて私たちラッキーだったわ!っもう最高ー!」

へぇ、そうなんだ。らしいよ。

と、私と夫は横で聞きながら食べていた。


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ということで、年配女子の話だと、すぐそこみたい。行ってみよう!

下るともうそこにお花畑が広がっていた。

年配女子級に私もわーわー興奮した。

あの屋台の立地てすごくイイってことがわかった。

車でこんな標高の高いところまで辿り着けて

もうほとんど山頂ってなところでトレッキングもできる。

ここにもう一回来てゆっくり歩きたいなと思った。

だってとても簡単そうなんですもの。

禿ハゲ山で行けども見晴らしよくって暑くなくって道がなだらか。

カステッルチョからマルケ州方面のシビッリーニ山脈ね!覚えといて!


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SNSで有名になったCastellucio di Norciaの大地。

5月ぐらいから7月ぐらいまで草花の見どころが続くそうだ。

ここはLenticchieレンティッキエ(複:レンズ豆)の生産地だそうで

本当だったらレンズ豆一種の植物しかみられないのだが

殺虫剤を使わないようにと、様々な草花を除草せずむしろ蒔き

虫たちや草のエコシステムを活用していることが

この素晴らしいロマンチックな風景を生み出したそうなのだ。

生命力の強い咲き乱れる草花の根は

湿気を保ち大地を肥沃にする。

レンズ豆の栽培期とずらして草花を繁殖させているそう。

これは緑肥と呼ばれる方法で、バイオダイナミック農法でも同じだ。


その緑肥に使われる草花は

黄色はSenape Selvaticaセナペセルヴァーティカ(野生のカラシ)

赤色はPapaveriパパーヴェリ(複:ケシ)

白色はCamomilla Bastardaカモミッラバスタールダ(カモミールの一種)

青色はSpecchio di Venereスペッキオディヴェーネレとも呼ばれる

Legousiaレゴウージア(レゴウシア)とか

Fiordalisiフィオールダーリジ(複:ヤグルマソウ)

月ごとに満開時期が異なるそうなので3ヶ月間楽しめるそう!


私たちが訪れた7月の月曜日も

人は幸せそうに花畑で戯れていた。

ただ気をつけてあげたいことは

緑肥のために植えてある満開の畑の中にはできるだけ入らないこと。

と、そう看板までもある。

外見の為ではなく、本来の目的の緑肥効果を失ってしまうからだ。

ところどころ畑の境界となるところには共同の道があるので

そこから入って遠目から撮影すれば花畑の中にいるようにみえる。


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おもしろい、みーんなが写真撮影に夢中で

きゃぁきゃぁと幸せそうな光景は

まったくもって今までのロックダウンとか忘れちゃう。

爽やかすぎてロマンチックで天国的でポジティブになっちゃう。

あっ、よーくみるとイタリアが!


少年も無口にはしゃぎまくって、また一人で自撮りよ。

私が邪魔しにはいったわ!

頑固男子は二人でお花に向かって笑いあっている!

なにやってんのー、私も入れて~!

二人は、カモミールで花びら占いをして楽しんでいたw

お母さん好き・嫌いをイタリアバージョンで

Amo o non amoっていってAmoで終わった!ふーw

なんだかわかんないけど、家族で抱きしめ合っちゃった!

まるで幸せのくじに当たったみたいだったw


興奮も収まらないまま天国のようなお花畑を惜しみながら去る。

家に向かうまで、もう一軒欲張って寄りたいところがある。

お花畑の真ん中もいいけど、高台からの長めもイイ。

乗馬のエスカーションが行われている様子で

パッカパッカ馬が風景にマッチしていた。

あーん、さようなら~


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どんどん先に進んでいくと、地震で崩れかけた建物を

よくみかけた。ここは地震に見舞われたところだ。

いつだったか思い出そうと老人夫婦のようにうーんとうなっていると

少年が2016年だよ、とあっさり思い出した。

Norciaノルチャ(ペルージャ県のある町)の町には

いまだに被災地キャンプで暮らしている方々が大勢いる。

ノルチャに着くまでも、崩れたままの建物や

板で支えられている建物が建ち並ぶ村々を通ってきた。

痛々しかったし生々しかったしもろそうだった。


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ノルチャの町を抜けたころ

木陰がサワサワと揺れる木々に囲まれた川が流れる道路沿いで

休憩することにした。エスプレッソをのむ。

レストランでもBarでも入るときは

私たちは必ずエチケットとしてマスクをつけて入る。

口にするときだけ外し、お会計のときはマスクをしている。


そのBarの横はノルチャ特産のチーズやハムをいーぱい売っていた。

わー。まるでチーズ工場にでも来たみたい!

これを全部売りきらなきゃいけないんだよ。

彼らもまったくもって観光業である。農業ではないw

サラミは買っちゃったし、チーズも買っちゃった。

何を応援してあげられるだろうか。


おばちゃんがホレと冷蔵庫から袋をとりだした。

中には、でっかい黒トリュフがゴロゴロ入っていた!うわー。

夫が聞いてしまった。

おばちゃん嬉しそうに18ユーロだよという。

黒トリュフはノルチャでは有名である。

もうしばらくバカンスを味わいたかったので買っちゃった。

おばちゃんに文句言ってやった!

立地条件良すぎるってw


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刻々と時間が過ぎていく中、次へ進んだ。

かなり遠い。ウンブリア州ではなく

Lazioラツィオ州に入らなければいけない。

少年はこの旅3州目で喜んでいる。

私たちは、Viterboヴィテールボ県の

Civita di Bagnoregioチヴィタ・ディ・バニョレージョ

(バーニョレージョという町の古代ローマからある集落)へ向かった。

遠かった。

しかし向かったからには到着したい。

しかも到着する頃には日が傾きはじめ趣があるかもしれない!


そこは、天空の城ラピュタのイメージとなったチヴィタなんだそうだ。

SNSで夏になると伊在住者の友たちが紹介してて

素敵なところだなぁ、いつかは行ってみたいなぁ

と思っていたところである。

少年も何度も何度もDVDを見ているから話は早い。

それにしても集落が村と繋がってて

地震や侵食で崩れていったなんて、それだけでも映画的。

しかし、チヴィタの侵食はノンフィクション。


駆け足だったけど、チヴィタにも行ってみた。

チヴィタに向かうには徒歩でしか行けない。

本当だったら有料だそうだが、きっとコロナで料金所など無かった。

でもチヴィタを歩きたいんじゃない。

チヴィタを四方八方からみたいのだ。

チヴィタまでの道、お土産屋さんに置いてある

水彩画アーティストが描くような幻想的なチヴィタがみたい!


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どんなに夕日間際に訪れても

毎日眺めている住人にはかなわない。

ヴィンチの毎日違う夕日を眺めていればよくわかる。

橋がある側のビューポイントはたった一つあそこだけだった。

私が撮っても誰が撮っても素敵に同じように撮れる。


天空へ向かって浮いているようなチヴィタを

別方向から見渡せるところはどこだ!

あっちのバーニョレージョの村からみえそうだ。

無理は言わないけど、そこへ行けたら行ってみよう。

グーグルマップを帰路方向ヴィンチへセットした。

バーニョレージョの村を抜けるところを気をつけて通っていると

別ビューポイントがあった。

でもさ、夜のチヴィタもみてみたい、雨のチヴィタもみてみたい

霧のチヴィタもみてみたい、雪のチヴィタもみてみたい。

私の頭の中でフィクションを描くことにした。



帰りの高速で彩雲をみた。

はじめて彩雲をみた。

こういうことなんだろう、旅のスクープって。

そうやって旅は自分だけのものとなるのである。


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このボーナスバカンスシステムを利用できてよかった。

コンテ政権下のイタリア文化財・文化活動省の閣僚

ダリオ・フランチェスキーニ氏が、ニュースのインタビューに答えてた。

ボーナスバカンスのリクエストが今すごい数だって。

ちょっと困難な家庭でも、ロックダウンの疲れを癒やし

我が国イタリアを楽しんできて欲しいって。

B&Bのシニョーラも同じことをいっていた。


コロナを恐れてばかりじゃ何もできない。

フェーズ2になるときコンテ首相がフィロソファーチックに

今後はこの感染症と共存していかなくてはならない、と言っていた。


大きな欲は我慢できても身近に発散することだってできると思う。

利用できることはどんどん利用して活用すべきだと私は思う。

知らなくていい人たちは知らなくても事足りてるだろうから

いつも同様にそのまま平和に幸せに時を過ごせばいいと思う。

ぎゃんぎゃん騒いでる野党もいるけれど

のんびり恩恵を頂く者もいる。


何度も何度も感じるが、イタリアのコロナ対策って

イタリアの国民性にあわせて独自に練っているように思う。

ロックダウンの長い期間もイタリアにはあっていたように思うし

フェーズ解除のタイミングやメッセージなんかも

しっくりきたような気がするし

時間はかかっているけど、日々更新される経済対策の

内容をみてると、未来にも繋げてて関心する。

コンテ首相の温和さや人情的なところもなかなかに個性的だ。


それでも...それでも不安だらけで不満だらけだけど

みんなが同じだから笑い飛ばすしかない。

助け合って寄り添い合って前向きに進みたい。

その笑い飛ばしている内の一人が

ヴィンチの丘の家の族なのである。


終わり


ボルゴB&B ▶▶▶ Country House “Contrada Durano” 



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イタリアの本性 Le gocce sulle gemme

コロナを歴史に刻む、パスタを刻む il Ramen con la pasta all'uovo

マスク友と乾杯 e poi Giugno



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Go To バカンスシリーズVol.4のつづきです


ボルゴB&Bのシニョーラの一番のオススメの地がある。

この眩しいカリカリの夏、人々が向かう海ではなく

あえて湖に行くのはどうかという。

へぇ、湖。湖といったら溺れそうだなぁ。海水じゃないし。

でも川も同じか!水に浸かれればいっか。


シニョーラはとにかくゆっくりしてきてね、と毎日いう。

バカンスなんだから羽根を伸ばして、日常のことなんか考えないで

骨を休ませて(精神的な)、のんびり過ごしてね、という。

とはいえ、我が家いえの族のにぎやかさは

意見の不一致もそうだけど、じっとしていられないところも

ひとがいう、のんびりとか骨を休ませる類のリラックスカテゴリに

属さない。不可能とはいわないが、困難である。

シニョーラにいわれるたびに、「あぁ、そうですよね。」と

私の視線は頑固男子x2に向けられる。

愚痴をシニョーラに言っても無駄だ。

シニョーラは私の愚痴を聞く前から、もう返事をしているわけである。

それは、もしかすると全て私次第だよといっているのかもしれない。

考え方接し方見方次第で、にぎやか一家でもリラックスできる

ということを言っているのだと、受け取った。

「あ、はい、ゆっくりしてきます.....。」

と、彼らを超えた遠くを見つめながら答えることになるのである。


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運転手はいつも夫に任せて

助手席は誰が座るかで、少年と私はケンカになる。

後ろの席って、寝ない限り、なんかつまんない。

前の席だと、ラジオもエアコンも勝手に操作できるし

視野も広がるから、写真だって撮りやすいし

車を停めるタイミングも言いやすい。

ジャンケンはリスク高すぎるので

交代制か親の指示に従わせるのである!

そこでぎゃぁぎゃぁひと揉めするわけw そんなことで!


途中まで峡谷への道と同じである。

山的丘をいくつか超えると

国立公園シビッリーニ山脈がみえてくる。

山一つ一つ名前があるのだが、どれがどれだか覚えていられない。

山々が見えてくると、わーわー興奮がはじまる。

だから前の席に座っていると得した気分になるのである。

少年が前の席に座る価値はない!無反応なんですもの。


グーグルマップ様のおかげで

1時間もかからないで順調に到着しようとしている。

ちょうど山に入る前にドライブイン的な山小屋風に改装した

ミニミニスーパーがあった。

果物は持参してるけど.....今日何する?

本当はパスタとか日常っぽいものが食べたかった。

着いちゃってから何もないってこともあるしねぇ。

その点日本なんかさくっと食べれそうなうどんとかラーメンとか

軽いものからどっしりもあって安価にあるからいいなといつも思う。

今日もまたマルケ州特産を詰め込んだのパニーニに決定。

ここでしか食べられないローカルなもの食べておこう。

今日は、ナイフを持参した。


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うわー湖ってこんなにキレイなんだ!

エメラルドグリーンな色してる!

シニョーラが海じゃなくって湖を選ぶ理由がわかった。

人がいっぱいいるところじゃなくって

もうちょっと先に行けば人いないから、と言っていた。

なんでみんな人がいっぱいいるところにかたまるんだろう・・・と

シニョーレは不思議がっていた。ホントよね。


このLago di Fiastraラーゴディフィアストラ(フィアストラ湖)

発電のために人工的につくられたそうだ。

山々から流れてくる川の水を貯めてるから透き通ってる。

あとで、絶対に入ろうね!と約束しながら

写真だけは興奮とともに連写した。


私たちはその湖からはじまるトレッキングコースを歩いて

Lame Rosseというマルケのキャニオン(!)を是非見ておこう

と歩きだした。私の調べだと、すごく近いっぽいけど

一応聞いてみようよ。「すみませーん、どのくらいかかりました?」

トレッキング慣れている人だったら片道1時間往復2時間かな。

でもね、結構速く歩いた場合ね!と若者グループがいう。

1時間のとこ1時間半はみておくか。

重いけど水と食料をもっていこう。


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トスカーナとマルケのトレッキングコースの道標の書き方が

ちょいと違う。赤白印は同じだが。

トスカーナは、どこにでも目安時間が書いてある。

マルケは書いてない。たまに書いてあるけどさ。

あの目安時間て重要だなぁ。進むか諦めるか時間で決める。

帰ってこれるかわからないし、食料の分量も決められない。


片道1時間だって、ちょろいものさ!

少年が4歳の頃、ピストイア県のアペニン山脈の

簡単コースを次々と体験したっけ。

そのときも私はビリで歩いてたけど、そんなに疲労は感じなかった。

しかし、今回はちょっときつく感じた。

夫も無言で耐えているようであった。

毎日肉体労働で疲れてんのによぉと愚痴をこぼされると

楽しみがガクーンと半減しちゃうのをわかってるから黙っている。


歩き始めちゃったからには目的地に着きたい。

「こちらに戻ってくる人たちなんだかゼーゼーしてるね。」

と夫は不安になる。まぁね。下り上りあるでしょ。

歩けど歩けどいつのまにか時間が経っているほど

風景はたいして変わらない。

途中、また若者カップルに(懲りずに)

「目的地にはどのくらいかかります?」と尋ねることにした。

「あと20分ぐらいよ!でも絶対行って!価値あるから!」

20分で家族3人ドキッとしたに違いない。まだそんなにあるのか。

「お昼の場所探してるんですよ。」

「あるある!もうちょっと行けばひらけたたところでみんな食べてた!

「あともう一つ。ずーっとこんな感じに、森ですかね?」

こういう質問をすると、他人にはイイ顔する我が家の男子は

キッと私を睨みつけるw 

いいじゃん、日陰の方が君たちおとなしいんだから!

「幸いこんな感じが続くわよー。」よかった。


時間も時間だし、その突き進んだ先はどんな状況かわからない。

のんびり食べれず、男子たちはイライラしはじめ

到着前に、もしくは到着しても空腹で

キャニオンの興奮を思う存分表現できなかったら

ここまで来た意味がない!

だから、到着前のそのひらけたっぽいところで

お弁当を広げることにした。

なんだかそこは、目的地の出発点と帰路点でもあるかのように

人は、どっちに進むか相談し合ったり

満足そうに下り坂を走ってきたりしている。

それを眺めながら黙々とパニーニを食べた。


確かに、あと10分てココには書いてある!

前を見る限り、ものすごい急坂で登れるのか不安になる。

しかも、砂利。

登るのは意外と簡単で、帰りの下りが難しいことは

トレッキングツーであればご存知であろう。


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うわーマルケのグランドキャニオン!

2回も行ったトルコのカッパドッキアをも思い出した。

無言で興奮している少年は、一人で急坂を突き進み

一人で自撮りなんてことをし

一人で突き進んだ大人たちの真似をして、もっともっと前進し

て、戻ってきて、もう一回お母さんと行くと言い

また出発し、だけど私を待っていられず結局一人で突き進み

もう一度自撮って、こっちに来いと沈黙にジェスチャーし

「いや、お母さん無理でしょ!」と大声で伝えると

っもうと空気を読まない自分の母にに落胆し

そして私の代わりに興奮写真を連写してきてくれるのである。

そして、少年のスマフォで自撮り風家族写真を

奥行きつけて撮って、マルケのグランドキャニオンの動画まで撮った。

それを自身のインスタのプローフィール写真にしてるぐらいだから

興奮しまくったに違いない!


トレッキングて途中で諦めてはいけない。

目的地まで行かないと意味がない。

そして、途中、変化も無さそうな小道でも

静かに歩いていれば、シカなんかの動物の呼吸まで

聞こえてきそうである。遭遇したことないけれど。

絶対いるんだろうな、どこかでこちらをみているだろうけど

私たちにぎやか一家にはそんな奇跡は起こらないのである。


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行きは長かったけど、帰りは割と速くに戻ってきた。

それこそ1時間で。

想定外のトレッキングコースで時間は押せ押せである。


湖に、ちょっとだけ足漬けていこ。

シニョーレが、最近水不足で水嵩が低いからすぐ深くなるよ

と忠告していた。確かにすぐそこは

深そうな濃厚なエメラルドグリーンである。


少年は、何発か石投げを試みた。

幼少時代、川に行って、夫に教えてもらった遊びだ。

夫がやらなくたって、自分でやりだす。

こうやって何気ない行動が記憶に残っていくのである。

今日の何気さを伝えたいが、今日は咄嗟にひらめかない。

そういうときは、シニョーラのいうように

ただただゆっくり時を過ごそうと思う。

同じ空間にいて、同じものを違う視線と想いでみながら。


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「今日はどこ予約してくれるんですか?」

シニョーレはニヤっとした。

「初日に勧めてくれたレストランに行きたいです。」

意向を朝伝えておくと、電話してくれていた。

「すぐそこだから。」

えー、大丈夫かな、すぐそこだって。


ほんとうにすぐそこにあった。

ここは、Agriturismoアグリトゥリーズモ(農園の民泊)

泊まることもできるし、寄ることもできるし、食べることもできる。

シニョーレとは職友で、混み合っているときは助け合っているそうだ。

この主も移住者で、Venetoヴェネト(ベネト州)の方であった。

話し方やアクセントですぐわかる。

彼はベネトでクリニックを経営していたビジネスマンだったそう。

しかし、趣味に登山や旅行があり

それが今、職業になったそうだ。

主がサービスをして、婦人が厨房でふつふつ料理をこしらえている。

こういう職業って、好きもあるけど

人の出会いや同じことのおしゃべりができる人じゃないと

できないなぁと思った。

ボルゴB&Bのシニョーレラジオのように

主もずーっと私たちの相手をしてくれた。


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申し訳ないが、数日食べまくったサラミ類等の

Antipastiアンティパスティ(前菜)は割愛する。

Primiプリミ(複;パスタや米類)では

Pappardella al Paperoパッパルデッラアルパーペロ

(アヒルの煮込み太麺パスタ)

Boscaiola con Tartufoボスカイオーラコンタルトゥーフォ

(贅沢にトリュフかけ森の野菜パスタ)

のあと、主オススメの本日のメニュー、これしかなかったのでは?

自分チで飼っているCinta seneseチンタセネーゼ(シエナ豚。

通常よりも小さいというのは、大きくなる前に食べちゃうから)

をオーブンで何時間も焼いたという焼豚を注文した。

日本の角煮を想像するようなトロけ方。

「一回茹でたんですか?」

ホラ、脂分を取るために茹でてから煮込むじゃない?

そこで、業務用オーブンで低温で10時間焼いたことを

説明してくれたのである。

お肉はトロトロで、Cotennaコテンナと呼ばれる

カリカリにできあがった皮はスナックのようで

日持ちしそうだったので持ち帰ることに。


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主がずっと接待してくれたので、とても親近感が生まれ

そうするとなんだかリスペクトみたいなのも生まれてくる。

それでなくても美味しい美味しいと連発して食べる夫婦と

残さず平らげる家族は、どこに行っても料理人に満足される。

近頃アレルギーだベジタリアンだヴィーガンだ宗教だと

分かれる一方、変わりものまで食べれる夫婦は

友人宅でも喜ばれる。

そして、ずーっと料理の話をしてられるし

他人の人生を聞いてられるし

そして、社会の話にも首を突っ込むことができるのである。


このシエナ豚を家畜する経緯だって聞いた。

国から支援金がでるタイミングではじめたそう。

でも、育てている内に屠畜とちくできなくなっちゃうんだって。

ヴィンチの農園を営むアントネッラも

毎日可愛がってると屠畜できないって言ってた。

屠畜する時、こっちをみるんだって。

ブタちゃんの目、ニワトリの目、羊の目、こちらを見る目.....

だから頼むんだって。

そっか。

全部残さないで食べた。

命をありがたく大切に食べた。

その命は、こうやって人と人を繋いでくれた。

話してくれてよかった。

出会えてよかった。

主のレストランは、今日のお客さんは2組だけ。

ボーナスバカンスのおかげで、2組の内の1組になれた。

来てよかった、本当によかった。

主が見送ってくれた。

アグリトゥリーズモの横には川が流れているそうだ。

みんなで一瞬静かにして川のせせらぎをきいた。

そして上を見上げた。

空は澄んで星が満天だった。

ウィズコロナだけど、動いてなければ知らないところだった。

歩いてなければ発見できなかったところだった。

バカンスは海ばかりじゃない。

主と夜空を眺める出会いも素敵じゃないか。

シニョーラオススメの湖に浸かるのも乙ではないか。



次回は最終回です。



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GoTo バカンスイタリア事情 versole Marche vol.1

ヒマワリの中のボルゴBアンドBverso le Marche vol.2

この日はアドリア海でversole Marche vol.3



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この日もシニョーレラジオとともに朝食をとった。
「今日はどんなところに行きたい?」
「なんかおもしろそうな岩があるようですけど
どんなところですかねぇ。」
あるある!と、B&B滞在者がトレッキングしたときの旅行記録を
こんな立派な本に印刷してわざわざご親切に送ってくれたんだよ
と、私たちにみせながら行き方など教えてくれた。
よし、そこへ行ってみよう。
水のあるところや、岩場ってひんやりと涼しい。
暑いときには是非ともそんな岩にへばりつきたいじゃないか。

「それともう一つ、昨日言ってたお二人がよく行く
近所のサラミ屋さんってどこでしたっけ?詳しく教えて下さい。」
「あぁ、すぐそこだよ。」
シニョーレは簡単そうにいうけれど、土地勘のない私たちには
すぐそこでも見逃してしまう。
昨日と同じように簡素に説明をしてもらった。
わかった?と夫に確認し、そして少年にも確認した。
「すぐそこだって。」 ・・・。

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クーラーボックス用に凍らせてもらった保冷剤を受け取って
たっぷり調達してあるフルーツの今日の分だけを持って
今日も賑やかに出発した。

なんだ、すぐそこにあった。
村によくあるごくフツーの小さなAlimentareアリメンターレ(食料品店)
で、素通りしちゃって昨日は見逃していたのだ。
でもSalumeriaサルメリーア(サラミ店)て横に書いてあったw

小さいお店なので、一人か二人まで入店できて
それ以上は外で待つ。
もちろんマスクを鼻までして、手を消毒する。
もうイタリアだったら常識となった小さな個人店への入店スタイル。

家に置いてきちゃっても引き戻さなくてもいいように
車の中にマスクは常備してある。
ほとんど田舎の住人や田舎の旅は、店に入るときだけマスクを使う。

マスクの欠点は、顔の表情がよくわかんないのもそうだけど
何言ってんのかよく聞き取れないのがとっても困る。
そうでなくても、口を見ながら言語を聞き取りをしている
私のような移民なんかは。
は?とか、スンマセンもう一度言ってくださいと言って
マスクのせいにして聞き直す。
二度目になると、ついにはマスク浮かせて大声になるw

入店して、すぐに気がついたのが、とっても清潔だったこと。
自分チでサラミ作ってるなってすぐにわかった。
自分のサラミという作品を素敵にみせるのではなく
保存料を入れない分、清潔に保管しながら展示するのだ。

マスク越しに説明してくれた。熱い眼差し付きで!
「マルケ州の特産てどれですか?」
一番の特産はCiauscoloチャウスコロという名のサラミ。
トスカーナ州だったらFinocchionaフィノッキオーナという
フェンネルの種が入ったブタの柔らかいサラミに一見似た
でもシンプルにフェンネルが入っていないブニョブニョサラミであった。
もしくはSalsicciaサルシッチャ(生でもイケる腸詰めソーセージ)の
中身をすくって生で食べる感じかしら。
私はCrostiniクロスティーニ(小さめ薄切りにしたパンの上に
ペーストとか柔らかく炒めた野菜とかチーズをのっけて食べるアレ)
をすぐに想像した。うーん、ゴックン!
軽く焼いたアツアツのパンにのせて食べるか
チャウスコロも一緒にジュッと温めて食べたら美味しそう!

次!
Lonzaロンツァというブタちゃんの首の筋肉をサラミにしたもの。
CoppaコッパとかCapocolloカポコッロとか別名もある。
そして、マルケ州とは限らないようだ。
なんか私たちには珍しいので、それもいっちゃおう。

決め手に!
Rovetanoロヴェターノという名のブタちゃんのレバーをつかったサラミ。
レバー好きにはたまらない!
「まぁ、食べてみなよ。」と
私たちが返事する前にはもう、一切れ差し出していた。
朝から味見しちゃうかw
うわー、激ウマ!!! コレ日本語で表現したい!けど
Wow!! Bobobo...Bonissimo!!! という感じであろうか。
「名前の由来は?」
「ボクたちがつけた。」 え?それだけw

今日のピクニックのパニーニは最高だな。
一つ覚えておきたいパニーニ調達節約スタイルは
パンを食べれる分かたまりで買って
サラミなどはスライスしてもらって
現地で自分でパニーニをつくることである。
パンを切る食事用ナイフを持参すればいいだけである。
それが面倒ならちょっと高くつくけど
お店でパンをスライスしてもらって
好みのサラミをサンドしてもらうのである。
節約一家なのに、サラミに見惚れてこの節約スタイル忘れてた!
それでもいっぱいサラミが詰まってたので高くついてないな。

こちらのサラミ屋さんの自家製サラミ、どこで乾燥させてるかって
ただの地下室とか倉庫や冷蔵庫ではない
なんと、洞窟で乾燥させているのだそうだ!
見せてもらいたかったけど、欲を押し付けることは控えた。
暗~い洞窟にぶら下がっているサラミを想像した。
想像するだけでもワクワクさせてくれるサラミたち。
今日のランチを楽しみにさせてくれるサラミたちw

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ワクワクサラミだけでエネルギー使っちゃったぐらいで
お店出たときが別世界?現実に戻った感覚だったw

さて、またヒマワリ畑や麦畑、山的丘をいくつも超えて
グーグルマップの、ときに枯れ声を耳にしながら
目的地のle gole dell' Infernaccioレゴーレデッリィンフェルナッチョ
(国立公園の山Monti Sibilliniモンティ・シビッリーニ内)
という名の峡谷に300Mまで近づいた。

ん?こんなところで駐車が始まってる。
進むたびに駐車の列が。
諦めと決断を早くして、空いてるところにとっとと駐車した。
正解。その先はもう駐車するところは無かった。

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そうか、今日は土曜日だ。
カップルや子供連れの家族で賑わっていた。

なんてスリリング風で演出風な岩なんだ。
上から湧き水が滴れている。
そのしぶきが自然のシャワーとなって
子どもたちをキャーキャーいわせていた。私も!
少年は、無言を保ってささっと通り抜けていったw
かわいそうに。もっと自由に表現すればいいのに
思春期って大変!

もう、すぐそこが峡谷だった。
歩いて辿り着き発見するタイプではなかった。
だからお年寄りでも小さな子連れも楽しめる
ちょっとした避暑の一日にはもってこいの地ではないだろうか。
それでもって、行く価値はある。
よかった、計画してたバジリカータの峡谷に行けなかったから。

ちょっと歩いて軽くトレッキングともいえないハイキングをして
ボリューム満点の朝食を消費しないと
待望のランチが食べられない!
行けども行けども川沿いを歩いた。
ところどころチラチラ見える山岳がカッコイイ!
もちろん頂上へ向かう道標はあるが
いや、今回はやめとこ、と家族全員一致した。怠け者w

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小川のせせらぎ、山と山に挟まれた岩の冷たさ
今にも声を発しそうな緑たち、ときにふぅっと突き抜ける風
そうそう、キンキンに冷えたビールじゃなくってキンキンの川の水
木陰になってて、三人が座れる特等席のような場所を探して
ワクワクサラミのパニーニをひろげた。
私たちが歩き回ったのはそして珍道中に欠かせないことは
そう、ランチ用の特等席探しなように思う。
最高においしいじゃないか。
フルーツは水に浸けて洗って冷やして。
水も冷やしとけ。
足も冷やしとこ。

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宿で昨日と今日の残りでアペリして
シニョーレが今日も電話してくれたSmerilloズメリッロ
ただ一軒あるPizzeriaピッツェリアで夕食をした。
そう、今日は土曜の夜よ、人がいっぱいいた!
80%が外のテーブルで食べている。

若者のグループが多かった。
一人、こちらを見てペコっとお辞儀して挨拶をする青年がいる。
誰だ?! この地で。
考えに考えて思い出したのが
昨晩のズメリッロのレストランでサービスしてくれた青年だ。
マスクで顔はちっとも覚えてないけれど
シャイでオドオドしたオーラともさっとした黒髪で思い出した!
あらアナタね、チャオ!

複数家族が集まったグループもあった。
地域の人だけが寄り合って支え合っている雰囲気。
余所者は私たちだけだったように思う。
みんなすんごい楽しそうで盛り上がってて幸せそうだった。
アフターロックダウンの鬱憤は、こう夜空へ笑い声となって消えていく。
しかも、何個もある内の山的丘の天辺で。




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ヒマワリの中のボルゴBアンドBverso le Marche vol.2

この日はアドリア海でversole Marche vol.3



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つづき


枕がいつもより高めだったせいか、それとも環境がかわったせいか

寝付きが悪かった。

だから遅く眠りに入った様子で

目が覚めたら、旅行にしては目覚めの遅い時間になってしまった。

せっかく早朝、ボルゴB&Bの周りを散歩でもしようと思ったのに。


家族全員起きやしない。

8時から8時半の間にと約束した

朝食の時間までには行かなくっちゃ。

私が一番に飛び起きて、次夫が飛び起きた。


夫は思い出してくれた。「Buon Compleanno。」

お誕生日おめでとうと、静かにいう。ありがとうと、静かに返した。


シニョーラが私も3人の子どもを育てたママよ、と気を使って

少年が一人で過ごせるよう・・もしくは夫婦二人でいられるよう

Bilocaleビロカーレ(寝室と居間、二部屋あるアパート)

ファミリータイプとし、両部屋ダブルベットが置かれてあり

ボクが一人で使うのよ、とわざわざ私たちに忠告までして

用意してくれた大きな部屋を少年が一人で使って

真っ暗にして寝ている。


1メートルぐらいありそうな厚さの壁にある小さな小窓を開けると

小さい窓なのに、一気に部屋が眩しいほど明るくなった。


少年は、ベットの真ん中で寝てるかと思ったら

端っこで寝てたw


「ちょっと、起きて。今日はお母さんに何て言うの?」

ボソボソと「ごめんなさい。」という。

え・・・・・。

寝ぼけて私に誤っている。

そうか、そうだったのか。

お母さんに何て言うのという返事はごめんなさいと教えてきたw

まるで合言葉ではないか!

気持ち無く誤っていたのか・・・。くやしい!

そして、ニヤッと気がついて「おめでとう。」と言い出した。


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母屋のようなところがレセプションみたいになっていて

そこで朝食がとれるようになっている。

以前はレストラン業もやっていたそうだ。

きっと亡くなられた奥様が仕切っていたのかもしれない。


朝食は、シニョーレが作ってくれた。

だからイタリアンよりイングリッシュ的で

甘いものばっかりのColazioneコラツィオーネ(朝食)しか世界はない

夫には刺激的だったと思う。


旬のフルーツ、メロンやモモ、キウイに

Proscutto Crudoプロシュットクルード(生ハム)であった。

それにヨーグルトやシリアル

瓶をかえるだけでとってもオサレにみえたフルーツジュース

エスプレッソというよりアメリカン風Caffèにミルク

手作りのシリアル入りパンの他

温かくて柔らかいBriocheブリオッシュ、どれもシンプルなんだけど

もっともっとシンプル・・量的にシンプルなヴィンチの日々の朝食には

とっても豪華でおなかいっぱいになった朝食であった。


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食べてる間、シニョーレがラジオのようにおしゃべりしてくれる。

シニョーレ流社会的世論、シニョーレ流個人の問題w

シニョーレ流今日の私たちのルート

世代流に懐かしのロードマップを広げ

本当は一番見やすい方法なのに

いつのまにか地図を持たなくなっちゃったことに

シニョーレのでっかい地図をみて後悔しながら話を聞いた。


ボクはアナログ的にアドバイスするからね、と一言前もった。

「今日はどこへ行きたいの?」

「今日は金曜日なのでマルケの海に行こうと思ったんです。」

少年もずっと海・海言ってたから

バカンスの一日ぐらいいいであろう。

ヴィンチから向かうよりは近いはずだ。

いつものティレニア海を浮気してあっちがわも冒険したい。

そして、どこもらしい激混みの週末の海は避けたい。


シニョーレは、そう、田舎好きだから私たちと志向は同じだ。

観光地化していなく、高層ホテルがなく、自然がおおめで

とにかく人が少ないところ。

よくわかってらっしゃる。

Pedasoペダーゾという地名がでてきた。

割と歩き回った私でも初の地名。

やっぱり調べて行くより現地の評判で行動するほうが確実である。

ここ(Smerilloズメリッロ)から40分で行けるという。


シニョーレはなにしろアナログ派だから

グーグルででてくるイメージは気にするなという。

そう言われるとその通りだ。グーグルに頼りすぎている。

珍道中にグーグルのイメージ画像はいらん!

ほんじゃ、行ってきまぁす!と賑やかに出発した。

シニョーレとシニョーラは、子どもたちを送るように見送ってくれた。


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いつでもどこでも出発したときがいっち番盛り上がって楽しい!

「海だから、ランチはフルーツだ!」

「いや、パニーニも必要だよ!」 え。

とすぐ討論がはじまる我が一家。

珍道中はただただ旅のルートだけでなく

意見の不一致をどう組み合わせるかも珍道中の一部である。


高い丘のズメリッロ(B&Bがある地名)を降りて

もうひと丘越えると、海までの道はなだらかで真っ直ぐな平地だった。

仕方なく安心感を得るために、パニーニは丘を超える前に調達。

これでしばらくは黙っているであろう、空腹時にうるさい男子。

真っ直ぐにのびた通り沿いは果実園だらけであった。

しかし、ジャガイモみたいに通りにぶらさがって売られていない。

売りますという看板もない。

買いたいのになぁ。


通り沿いの果実畑は主にモモであった。

剪定はやっぱり収穫しやすいよう低めだ。

きっと手でもぎ取るのであろう。

剪定は、樹の様態にも合わせるけど

速く収穫ができるように仕上げることが一番だ。


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ペダーゾ(海沿いにある地名)に着いた。

シニョーレが、街から南下してビーチを探しなさい、と言っていた。

海岸沿いは電車が通っていた。

「一人でも来れるじゃん!」と少年の近い将来を煽る両親。

線路の下をくぐってビーチに向かう感じだ。

住宅が少ない入口を探した。

確かにこの辺は、低層なマンションやレジデンスが多い。

ヨットをもつお金持ちが集まるハーバーも無さそうだから

なんだかひっそりしてて

どこか南のある一部というような感じであった。


どのビーチにするか決定するまで、また時間がかかる。

いつもの意見の不一致。

「おまえがみてこい。」

人がいっぱいいるのか、汚いか、きれいか、安全そうか

岩場か、砂浜か・・・。

少年だけでは頼りないので

少年の意見を待ってから私も確認しに行く。


「よし、ここだ!」

砂浜と砂利が両方あるところw

石があるところって海水が透明に見えるから

キレイだと私は思っている。

持参したパラソルを二本もさして

ゴロゴロする用バスタオルを5枚ぐらい敷いて、カバンも保護してw

海に飛び込んだ!


少年は友たちに自慢するために、日焼けをしたがった。

やめとけって何度も人生の先輩が忠告したけど

嬉しさあまりに一日中プカプカ水に浮いていた。

いや、温泉のように浸かっていた。

海水は7月なのに温かかった。


ギリギリの金曜日で人は少ない方なんじゃないかと思う。

ニュースのビーチは、コロナどこ?というぐらい

カリフォルニアのビーチみたいに人がうじゃうじゃのイメージだったから。


少し向こうには、カモメがうじゃうじゃいっぱいいた。

と、浜をみると、どうやら漁船が出入りするところのようで

小さな船が二隻ほど沖にあがっていた。

カモメがよってたかって何か突っついている。

なんだろう。

散歩がてらに歩いてみると、カモメが取り合いしていたものは

カニだった。

怒ったような顔をしているカモメがいっぱいいるとこっちは怖いのに

私が近寄っていくと、カモメはバタバタと飛んでいき私を避けた。


少年よ、やっぱ、友だちと一緒のほうがいいよ!

私と遊ぼ遊ぼと言って、ゴロゴロさせてくれなかった・・。

私まで、日焼けしてしまったではないか。ま、いいや。


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満足したりない少年を引き連れ帰り際

ペダーゾで、帰ってから即効アペリができるつまみを買ってこーよ!

そういうことに関しては夫婦の意見は一致するw

Olive Ascolaneオリーヴェアスコラーネという

マルケ州の特にAscoli Picenoアスコリピチェーノという土地の

郷土料理の一つで、緑の塩漬けオリーブを

ひき肉と丸めてパン粉で包んだフライ

まさしくもAscolana del Picenoアスコラーナデルピチェーノという

オリーブの品種があってそのオリーブで食べるのがホンモノだそう。

そうB&Bのシニョーラが説明してくれた。


それと、あれもシニョーラが言ってたやつだ。

あの黒っぽいの、レバーのサラミじゃない?買ってみよーよ。

うんうん。


平地な果実園が続く道、なぜか帰り道には

売ってますの看板を発見した!

モモ3種類、アンズ、何キロかわかんないぐらい

旅中は凌げそうなくらいいっぱい買って、私たちは満足した。

これでランチのデザートとおやつは考えなくていい。


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シニョーレとシニョーラは外出していた。

今日はちょっとだけ遅くなるということであった。

でも今日のキミたちのレストランには予約しておいたからね!

と電話をくれた。

ウエルカムドリンクを頂いた外のテーブルで

オリーブのフライとレバーのサラミと部屋にあったスプマンテで

小さなお誕生日アペリを3人で乾杯した。

B&Bには今週はお客さんはいない。私たちだけだと言っていた。

静かな山的丘の、ちょっとひんやりした

日焼けした肌には気持ちよい、まさしくも日が沈みはじめた

なんとも悦な空間の乾杯であった。

無理矢理バカンスに出発してよかったなぁ。


その頃、エンニオ・モリコーネ氏の逝去で

どのニュースもニュー・シネマ・パラダイスのサントラの一曲

Tema d'Amore(Love Theme)を名曲に紹介していた。

私もヒッピーな夫もエンニオ・モリコーネ氏のファンであった。

とても残念に想う中、この曲がグルグル頭の中で

自分の人生がまるで映画のように

このテーマダモーレが流れていた。

きっとずっといつまでも、この曲と一緒に

バカンスと誕生日を過ごしたことを思い出していくことであろう。






昨日も外食、今日も外食、少年よ、嬉しいだろう?

土地のテーブルワインを飲んけど、とっても美味しかった。

きちんと農園の名前をアナログ的にメモ帳に控えた。

このジェヌインさはやっぱりビオのワインだった。

樽の味がしたけれど

きっと木製チップを入れたセメントタンクかもしれない。

と、ごちゃごちゃいいながらも一日を味わったのでありました。



まだつづく



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ビオディナミワイン&ビオオリーブオイル会Degustazioni



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私たちは大喜びして、ひとますとりあえず出発した。
「きっと夕方には着くと思います!突然で申し訳ございません。」
バジリカータ州のルートを記したメモ書きを残し
なーんにも研究していないマルケ州へ向かった。
お友だちいるんだけどなぁ・・・何度も頭をよぎるが
急すぎて計画性が無さすぎで、むしろ失礼だ。
今回は、これこそ行きあたりばったり珍道中を
家族で体験することにした。

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少年はときどき「ボクの行ったことのある州は」と数えだすことがある。
学校の地理や社会の授業でそういう話題になるのであろう。
「行ったことある人、手を上げて~」みたいな。
きっと、旅行欲のない親と暮らしてしょんぼりしていることであろう。
内面悔しそうな顔をしている少年が想像できるw

高速道路を走りはじめると、もう長旅気分で
早速サービスエリアに行こうと言い出す少年。
「車の休憩はは2時間に一回でいいんだよ。」
そう言ってわかるのは、一昨年のニッポンほぼ横断旅行では
長距離夜行バスを利用したからである。

トスカーナ州からマルケ州に入った標識を運転手の夫が叫んだ。
わー、よかったね。
もうひと州加わったじゃん、ボクの行ったことのある州。
少年はご機嫌であった。
途中、Umbriaウンブリア州の
PerugiaペルージャやAssisiアッシィジも通っていった。
高速道路からみえるのか。
むかーし昔イタリアに来た当初
青い長距離バスで田舎道を走っていったので
果てしなく遠くに感じたんだけどなぁ。
距離の問題だったのか、在住が長くなり親近感を感じるのか
またすぐ来れそうな気がするほど近くに感じた。

当時は、州を考えることなく、村を目指して行っていたので
州の楽しみ方、土地の楽しみ方を満喫していない。
かといって今回も駆け足だし勉強不足で
また振り出しに戻っちゃった。
またゆっくり来なきゃ!とすぐに反省しながら窓から景色を眺めた。

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道路標識で行ったことのある地名が出てくる。

Orvietoオルビエート、あぁ、ここも来た、語学学校の仲間と。
私まだ育ち盛りだったのかなぁ、昼寝好きで
城壁のところでぐーすか気持ちよく昼寝したのを覚えてる。

あぁ、Spoletoスポレート。ここにもフィレンツェシスターズと来た。
彼女が行くっていうからついていったっけw

おぉ、Lago di Trasimenoラーゴディトラジメーノ
語学学校のオランダチームが絶賛してたなぁ。色が変わるって。
何してきたの?って聞いたら昼寝してきたってw
日本人にはありえない行動かもしれないけど
そこでゆっくりするってことを学んでいった情報であった。

Pesaroペーザロにも行ったぞ。
真冬、誰もいない海にやっぱり語学学校の仲間と
小さなカラフルな石をいっぱい拾ったっけ。
なんでそこに行ったのかも覚えてないや。
当時学んでたMosaico Fiorentinoモザイコフィオレンティーノ
という技法は、カラフルな大理石で絵を組み立てるところを
私は日本の表札を作っていたwこともあって
原始的な道具を持っていた。
だからペーザロの石に穴をあけて
原始的なペンダントを作っていたのである。
また拾いにいきたいなぁ。
あそこの石はぺっちゃんこだからペンダントにちょうどいい。

Anconaアンコーナには港があって、そこからギリシャへ
車も一緒に船に乗せて、夫と旅をした夏を思い出した。
その話もいつか語りたい。
やっぱり行きあたりばったりの珍道中。
帰りの船に乗り遅れちゃったんだ。

と、道中思い出を語る。
「お母さんはいろんなとこに行ってていいな。」
息子よ、一人で旅をするのだよ、自分の行きたいところに。
家族旅行は最初で最後だな。
「えー!嫌だー!」www
そうだろう、珍道中に慣れた親との旅行は楽しいだろう。
田舎暮らしも人生珍道中だから
少年は40歳まで家にいると我々を脅す。それは困った!

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高速道路から降りて、田舎道に入っていった。
グーグルマップのおかげでどこへでも行けそうだ。
ネットに接続されていないとGPSが作動してくれるけど
その時は、枯れ声で元気がないw あ、ネットないんだ、ここ。

平地なようで小山に挟まれ、風が抜けていく。
通ってきた通り沿いには、どうやらジャガイモ畑が連なっていた。
道端でジャガイモをぶらさげて売っている。
あぁやって売られていると、採りたてっぽくて美味しそうだなぁ。
きっと芽が出ないように薬品ぬる前のホヤホヤなんだろうなぁ。
帰りもここ通ったら買って帰ろうね!

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結局、高速道路のサービスエリアによらず
田舎道に突然現れた湧き水場で休憩した。
「あのオジさん水汲んでるよ!」
と、引き戻ったのであるw
冷たくて美味しかった。
ヴィンチの汲み水とは違う気分になった。
なんせバカンス中ですからね。

DSC05527

高速道路を降りてからの道のりが長かった。
どうにかこうにか辿り着いた先は
山でもない丘が山化したようなトスカーナのなだらかな丘とは違う
あれは丘と呼ぶのかな、とにかく高い丘の上の方に
1700年代の小さな小さなBorgoボルゴ(古い小さな集落)
みたいな建物が、B&Bになっていた。

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迎えてくれたシニョーレは、すぐに外国人だってわかった。
イタリア語の発音が英語訛りなんですもの。
シニョーレは移住してきたイギリス人であった。
お互い移住者だとわかって気兼ねしない様子。
そしてシニョーラがこちらへどうぞと
ウエルカムドリンクを用意してくれた。
シニョーラはマルケ州の出身の方であった。

シニョーレは、東京に行ったことがあると言いはじめた。
でも仕事でね、と付け加える。
そして、仕事だったから過度な接待で逃げ場がなかったという。
でも一日だけ黙ってこっそり逃げ出して
一人で東京を回ったんだと教えてくれた。
でもボクは東京を好きになることはないと誇らしげだった。
そうだろう、こんな田舎のボルゴを買っちゃうんだからね。
でも、日本だっていいとこいっぱいあって
田舎なんかちっとも東京じゃないんだよと知ったかぶって私は答えた。
よかった、去年いろいろ日本をまわっておいて。
日本の棚田なんかわーと胸が膨らむほど素敵なんだよ
というと、シニョーレもうんうんと聞いてくれた。

私があなたのB&Bを選んだように、私はやっぱり田舎が好き。
田舎に住んでいるのにバカンスも田舎に来ちゃった。
街にもみたいとこいっぱいあるけれど
訪れてみたい村だっていっぱいあるけれど
私たち家族三人が珍道中できるとこって、やっぱり田舎なんだ。
宿のボーナスがでて私たちが選ぶのはやっぱり田舎なんだ。
これだけは三人が一致したこと。

シニョーラは新しいパートナーだということを最後の日に知った。
亡くなられた奥様とシニョーレが築き上げたボルゴB&Bを
ささやかに控えめに支えているようであった。
シニョーラは私に
イタリアのいいところって、こうやってたくさんの人に
イタリアの素敵をみせてくれることよね
と涙がでるようなことをいう。
胸が熱くなった。こういうとききゅーっと抱きしめたくなる。
抱きしめられない分、私はシニョーラに眼差しを送った。
そう、シニョーレもちょっと距離を置いてこちらをみつめていた。
彼らはボーナスバカンスの意味と意図を理解しているひとたちだ。
その一言をきくだけでここに来てよかった。

今日私たちが行けるレストランにシニョーレは電話してくれた。
さて、明日どこへ行こう。
シニョーレがアドバイスをしてくれた。




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