大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:Pranzo

321933627_719677636186801_5996944768358193444_n

新しく出会ったイタリア人みんなが口を揃えて各々に
「日本てNatale(クリスマス)を祝うの?」と訊く。

「意味はわからずにハロウィンみたいなイベントとなって
パーティーして
子どもたちの一つの楽しみにプレゼントして...
イルミネーションもヨーロッパとおんなじ。
私たち仏教が基本だけどカトリックの人もいるし
なんちゃって仏教の人ばかりだから、なんでもOK!
私は無宗教だけど、周りを尊重してなんちゃってクリスマスして
同じ気持ちになるように過ごしている。」
と、答えているけど、みんなはどうだろう。

日本語だとクリスマスという言葉はクリスマスだけに使う用語だとおもうけど
イタリア語のクリスマスは、Nataleナターレと呼び
Nascita Nato Nascere などの誕生の意からきていて
Nataleは、イエス(gesù)の誕生 と
起源となる土地や街の誕生もNataleを使うことがある。

ミサに行くイタリア人こそ少なくなっちゃったそうだし
イタリア人さえも日本っぽく意味不明なイベント化していることが多い。
それでもイタリアのクリスマスの習慣は
日本の正月のように家族で過ごすことが多い。
ましては、親戚一同であつまることもままならない。

誕生のクリスマスを機に、家族が集まって
乾杯して、たらふく食べて、元気に笑って、満足して
一日が過ぎていくのがイタリアのクリスマスだろう。

私は典型的なイタリアンクリスマスをしないので
こんなにクリスマスについて語る身でもないのだが
私もクリスマスを機に家族でご馳走を食べて
息子にプレゼントをこっそり渡す
イタリアンクリスマス風を過ごし、思春期青少年にも
普通のクリスマスを過ごしている感が染みついているはずだ。

321968195_402751088681376_2239723333330931964_n

「マキんとこは、クリスマスなに食べんの?」
とまぁそんな話になる。

みんなが一通り、何を作るのか、何を食べるのか
どこに行くのか、誰が来るのか、何人集まるのか
プレゼントはなんなのか話した後に
アンタの番よ! みたいに振られる。

「24日のクリスマスイブ(Vigilia di Natale)は通常お魚食べるんでしょ?」
「そうだねぇ。」
「だから、お寿司を握ろうとおもう!」
というと、今度はSUSHIの話題だ。

この辺の人は中国系日本食レストランしか知らないので
話がズレることもあるし
「あぁ、私は生の魚はキライッ!」と耳もかさない人もいるw
お醤油がダメな人もいれば、海苔がダメな人もいる。。。

大好きな人は熱狂的にSUSHI好きで
話を聞いていると、SUSHI好きはどうやら酢飯が好きみたいだ。

321785653_1609601912811522_4971024681750679767_n

イタリアではそういうわけで、クリスマスイブには魚料理を食べる。
本番のクリスマスにお祝いとしてお肉を食べるので
前日は軽く食べる程度かもしくは断食でもいいぐらいなのだそうだ。
それは、クリスマスを尊重してのことらしい。
魚料理を食べる習慣になったのは
食べないっていうわけにもいかないしねぇ。。ということらしい。
お肉よりお魚の方が軽いでしょ!ということだw

というわけで、我が家のクリスマスイブはランチからお寿司だ。
SUSHIではない!お寿司だ。

一週間前に購入し冷凍しておいた生のサーモン
ほどよく柔らかくなった食べごろのアボカド
卵焼きと、白いのはある野菜で
薄くスライスして湯通してほんの少し柔らかくした。

この野菜は、日本語ではセルリアックというそうだ。
イタリアではあまり話題にならない野菜だが
スーパーにこっそりごろっと棚に並んでいる
見つけやすい食材だ。

イタリア語では Sedano Rapa 直訳するとセロリカブ
二つの野菜をくっつけた名前になっている。

ピリッとした辛味とセロリの味とカブの食感。。
この野菜でいろんな料理ができそうだ。
日本食にも合う。

夜は、タコを茹でて残りものを加えて寿司丼だ。

夜のデザートに日本のシフォンケーキのようなPandoroパンドーロを。

DSC08344

クリスマス当日は、御呼ばれされている人は行くだけだし
招待しているところは大忙しなクリスマスの朝。

我が家は、オーガニックファームのアントネッラのところの
ニワトリ(Polloポッロ)を一羽譲ってもらった。
アントネッラも自分ではエイッとできないので、ひとに頼む。

そんな有難いニワトリちゃんの首頭と足は別で出汁をつくる。

本体は、オーブンの丸焼きだ。
前日、塩を擦りこみたっぷりのオリーブオイルでマッサージ。
朝も、オリーブオイルでマッサージ。

200℃で20分後に白ワインコップ一杯
その後180℃に下げ、20分後に出汁をコップ一杯
それを3回ぐらい繰り返してできあがり。

その間に、ニワトリのレパー一式を玉ねぎとニンニクで炒め
首頭と足の出汁でゆるめてペーストを拵えて
パンにぬって食べるCrostiniをつくった。

その鳥出汁はまだまだ活躍。

生パスタは100gのSemola粉とタマゴ1個でこね
薄く伸ばして四角く切り
はたまた近所の農家で譲っていただいた
Salsicciaサルシッチャ(ブタの生肉腸詰めソーセージ)を詰めた
Tortelliniトルテッリーニを拵えた。

その生パスタTortelliniを5分ぐらい茹でて
その鳥出汁(Brodo di pollo)で
シンプルにいただいた。

エニマル夫は、乾杯するたびに嬉しそうだった。
プレゼントのときだけ飛び跳ねている思春期青少年も
アントネッラのニワトリを頬張っていた。

全部平らげた後は、伝統のPanettoneパネットネーネ
(ドライフルーツが入った発酵パンケーキ)。
菓子職人さんがつくったパネットーネは
何日もかけて発酵させて空気を入れてと手が込んでいるので
本場イタリアだって高級菓子である。
今年はホンモノに近づいたパネットーネを食べることができ
私たちは幸せだ。

DSC08347

DSC08350

クリスマスの翌日は
Giorno di Santo Stefano(聖ステファノの日)でイタリアは祭日だ。

今まではよく家族ぐるみのお友だち家族とヴィンチに集まって
食事会をしていたものだ。
コロナから、ぷつっとその習慣が途切れ
そうこうしている内に、少年は思春期青少年と日々成長している。

まぁいいさ。
今日も美味しいものを食べて満足しようじゃないか。
私が家にいる時は料理をしてあげようと
なんとなく心に誓った。なんとなくだ。

サントステーファノは
お肉屋さんでぶつ切りにしてもらったウサちゃんのフライだ。
ウサちゃんも先にオリーブオイルでマッサージ。
そして塩をまぶしておいた。

小麦粉と片栗粉を水に溶かしたつなぎにべちゃべちゃくぐらせて
余ったパンのパン粉につけて低温で揚げる。

オリーブオイルで揚げるのでもっと揚げたい。

よく遊びにきてきれた元イタリア在住の日本の友が
最後につくってくれた美味しいコロッケを真似て
野菜コロッケも拵えた。

彼女から教わったヴィーガンコロッケ。
つなぎのタマゴの代わりに溶いた片栗粉でやることを。

低温でじっくり揚げるとカラッと揚がるものだ。

322579739_1186306135345829_8335144641044042542_n

つまみは、オリーブの塩漬けだ。

11月終わりに摘んだオリーブの塩漬けが出来上がっている。
10日間、粗塩とニンニク2片を突っ込んで毎日シェイクシェイク。
10日過ぎたら、洗ってまた干す。
完全に乾かして、冷凍庫かオリーブオイルに漬けて保存。
 ニンニク入れるとオリーブの苦味が緩和されむしろ甘味が出る。

321652930_5846328445402961_7637522241602385819_n

こうやって丁寧に料理をしていると
時間なんてあっという間に過ぎていく。
一日中キッチンでなんかやっている状態だ。

他にもやりたいことやらなくてはいけないこといっぱいあるのに
丁寧な料理をするときは
無の状態で他のやりたいことを諦める覚悟が必要だ。

だからやっぱりお母さんたちってすごいとおもう。
だからやっぱり手抜きの日とご馳走の日があるのだ。

321710362_2085878854956343_7119357649935299243_n



2022年のブログはこれで最後となります。
いつも読んでくださってありがとうございました。
来年も引き続きゆるりと続けたいとおもいます。
どうぞよろしくお願いします。

みなさまにとって穏やかに年が越せますよう
お祈り申し上げます。



日本のみなさまに愛を込めて特別につくった
obatamaki監修EVオリーブオイルが販売されております。
ご注文はこちらのサイトよりどうぞ。






今日の一曲。




Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




人気ブログランキング

にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村

DSC06680

ことな青少年の身体測定を
パスクワ(復活祭とかイースター)ヴァカンス週間に
連れていくことになった。
最後になるだろう小児科へ。

コロナだから昨年は遠慮した。
だから、今年は絶対来い!ということだった。

14歳とはことな青少年だから、ちょっと大人の仲間入りで
小児科から大人のホームドクターへと進級する。

ホームドクターだから家族と同じお馴染みの先生を指定すると
面倒な説明とか遺伝とかそういうのがオートマチックに把握でき
まぁいろいろ便利で、おじいちゃんもおばあちゃんも
というお宅もある。

その進級手続きも現在コロナ禍で医療関係は
すったもんだしているようだから、気長に申請しようとおもう。
その点、野菜嫌いでも病気をしない野生少年は便利である。

身体測定にわざわざ親が連れていき
測定中ボーっと眺め、成長したことに小児科の先生と
わーっと騒ぎ、親が騒いでる姿を青少年は
うるせーなという顔でシラーと下を向き
下を向いている青少年に気が付いた親の私は
日本の集団身体測定て便利だったよなぁと思い出した。

DSCN0823

DSCN0871

DSCN0895

DSCN0896

なにしろヴィンチもエンポリもどこもかしこもレッドゾーンで
どこにも行けないはずなんだけど
働く人はコロナ禍だろうが働いている。

その働く人のために、コロナ禍だろうがパニーニ屋さん
トスカーナだとLampredotto(牛モツ)サンドの屋台が
工場地帯とか高速道路近くとかに構えている。

外出したし、Lampredottoサンド買いに行くか!ってことで
私と青少年はスクーターを走らせた。

あの日天気がすこぶるよくって、暑いぐらいだった。
おNewのホワイトのスクーターでヘルメットもホワイト。
後ろに乗る人だって中古のヘルメットを
ホワイトにペインティング。
眩しい親子だったと想像する。

ことな青少年が二人乗りに喜んでいた。
交通量が少ない田舎の道路で、親子ははしゃいだ。
少年よ!これがパスクワのヴァカンスだぞ!わっはは。

DSCN0801

DSC06655

DSC06657

DSC06664

Lampredottoサンドをテイクアウトして家で食べた。
パスクワ休暇だからか、やたら美味しかった。
どこにも行けないレッドゾーンだからか、無性に美味しかった。

でもさ、どこにも行けないのに海外には行けるんだよね?
とイタリア国民の疑問が世の中を駆け巡っている。
会う人会う人、小児科の先生とも結論の出ない疑問を
問いかけあった。
今の方がワクチンパスポートもないし行きやすいかもですね!

DSCN0814

DSC06673

パスクワなんだかただの日曜日なんだかよくわからない
春陽気の日は、庭仕事をする。
パスクワなのに、オリーブの剪定してる人もいれば
剪定後の片づけをしている人もいる。

二年連続ぼんやりパスクワ。
暑かったり寒かったりのイタリアより
春のヴィンチをお届けします。



☆ こちらの関連記事もどうぞ ☆

ロックダウンスプリング Pasquarantena
春うらら Buona Pasqua
フジPucciにハチ Elegante Glicine


Twitter・Instagram・Facebook・Ranking・BlogmuraをFollowすると
Blog UpdateのNotficasionが受け取れます。どうぞご利用ください。


Grazie di aver visitato!

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。




にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ


Instagram
 ≫≫≫ obatamakivincirealmakici


DSC06499


ドイツのメルケル首相は説得力があった。

「自由に過ごす代償が一日540人の命とは容認できない」

ドイツは16日から学校も閉鎖して完全ロックダウンに入る。

冬休みを静かに過ごせということだ。


それとは裏腹に(?)イタリアはイエローゾーンで埋まりはじめ

大都市は人人人でごった返し、日常に戻ったシーンを

レッドとあまり変わらないオレンジゾーンのトスカーナ

ど田舎のヴィンチの丘のテレビの前で呆気にとられていた。


そう、ど田舎自治区に暮らすと、この人々が集まる華やかさには

ほど遠い。隣街のエンポリさえも行けないのである。

思春期少年がクリスマスプレゼントでやいのやいの

あそこであれとこれを...と妄想が膨らむ一方で

ただただ家の中でウロウロするだけなのであるw

妄想だけは自由にさせよう!と親は黙って聞いている。


DSC06486

「お母さんはさ、なんでプレゼントを買わないの?」

おほほ、いい質問だ。

買いたいものなんて自分で買えばいい。

プレゼントは無料なんだから気持ちをプレゼントするのだ。

そうすれば誰でもできる。

手紙でもいい、絵でもいい、料理でもいい

お金には代えられない時間と気持ちが

本気プレゼントだと思っているのだよ。

お金で買ったプレゼントはオプション。

モノ選びの最中も相手のことを想って考えて選んでいるから

それもアリだ。

「欲しいって言ってたアレにしよう。」 うん、いいね。


DSC06479

「半世紀祝い、何が食べたい?」

「ラザーニャとウサギのフライとビステッカとティラミス」

やっぱりトスカーナ育ちだ。

半世紀だっていうのに選択肢のない強制的自粛中の特別日は

やっぱり好きなものを美味しい素材で食べるしか方法はない。


DSC06481

ラザーニャのミートソースは翌日が美味しくなるんだよね

ということで前日に仕込み、パスタ生地は卵控えめの手打ちだ!

調子に乗りすぎてパスタ生地多すぎたw

思春期少年がモリモリ食べてて、おっさん苦しそうだった。

少年おかわり2回して、おっさん焦って自分もおかわりして

午後伸びていたw

そんなにラザーニャ好きなんだ...

たまに食べるから美味しいのかな!


DSC06487

私は、実はウサちゃん料理をしたことがない。外では食べるけど。

ウサちゃんだけは生肉を解体できないのである。

ウサちゃん文化の国イタリアでは、フツーにスーパーに

丸ごととか半分とか頭付きで売られてるんだけど

在住歴何年経っても、ウサちゃんだけは苦手なのだ。

ということを夫は知っているから

ウサちゃん料理は夢の料理だったようだ。

半世紀祝いの食事にウサギを選ぶとはw くぅぅ。

ということで仕方ない、望みを叶えてあげることにした。

肉屋で、フライ用に解体してもらったのである!ほっ。

解体しちゃったら鶏肉と同じよ、料理する気になった。

たかがフライなんだけど、イタリア語サイトでレシピをググってみると

レモンとニンニクと塩とオリーブオイルで下味マリネにする方法と

シンプルにダイレクトに揚げて食べる時に塩で食べる方法とあり

祝者は後者を選んだ。

揚げるときの衣のつけ方はどちらも同じで

小麦粉をつけてから、溶いた卵をつけて

なじませるため30分ぐらい置いてから揚げるんだそうだ。

あとは鳥の唐揚げと同じよ、火が通る時間と色が決め手となる。

あら、美味しくできた!ウサちゃんて美味しいw

ウサちゃんの欠点は骨が多いこと。

家族で小さな骨をしゃぶった。


DSC06468

今年は、冬にサラダを食べることをやめた。

緑の葉っぱ類Cima di rapa(カブ科の葉)とか

Bietola(フダンソウ)とかSpinaci(ホウレンソウ)とか

茹でてお浸しで食べようとおもう。

醤油バージョンかオリーブオイル&塩バージョンで。

体が冷えそうな気がするからである。

これまたアントネッラのCima di rapaが美味しい。

雑草みたいに生えていて、濃厚なのである。

茎が硬いから、上下分けて茹でている。

それが、Contorno(付け合せ)となる。

いや、アペリのつまみにもなっちゃう。

パンにのっけてパクパク食べちゃう。


Bistecca alla fiorentina(超レア焼き指三本厚Tボーン)

は祝いのあるごとに、人が集まるときに祝うように焼く一品。

美味しくつくるには、炭火で焼く、しかないだろう。

ということで祝者が寒い外で火起こしからやる。

寒くて弱音を吐くこともあるが、美味しく食べたい意地は

あとの満足感で味わえる。

これを塩とたーぷりのオリーブオイルで食べるのである。

今日もめでたし。


DSC06497

クリスマスツリーが欲しいだのチカチカのイルミネーションが欲しいだの

思春期になって言い出すうるさい少年を黙らせるためと

そうよ、半世紀祝いを盛り上げるために

ロマンチックにロウソクを灯してみたら!

暗い...と速攻電気をつけたのでした...チッ。


そして、食べ過ぎで苦しくて2日に渡ったお祝いのデザートは

混ぜるだけでしょ?!カンタン!と思い込んでたティラミス。

アントネッラのフレッシュタマゴだけで美味しくできると信じていた。

壊れかけてるミキサーも原因だけど、それだけじゃない

混ぜるだけじゃない、卵もマスカルポーネも泡立てるのだった。

味はティラミスだから少年は騙されてガツガツ食べた。

お腹いっぱいでウトウトの祝者を傍に

それっぽくロウソク立てて記念撮影。

ドロドロのティラミスだけど冷やして脂肪を固めて

グラスに盛れば、素敵なデザートに。


DSC06492

(っと)さんの豊富は、早く年金生活に入ること、だそうだ。

肉体労働という人生を選んだ夫は、疲れ気味だ。

老けて見えるし、やる気も薄れてきた。


日本の年金システムはよくわからないけど

イタリアの年金は65歳からかな?受け取れる。

それは、年齢の話で、長いこと大学生活をやった人が

40歳から働き始めても、65歳になればもらえるよ、てことだ。

専業主婦も65歳から最低額が受け取れる。

しかし、中卒でずーっと働きまくって税金収め続けた人は

40年経てば、65歳じゃなくても

自分で年金受理を決められるのである。

今こそ中卒の子どもはいなくなったも同然だけど

ちょっと前まではいっぱいいた。

そしてイタリアは若い年金者がいっぱいいる。

早くても55歳から受け取れる。

早くから働けばそういうメリットがある。

もしくは最後の数年間分の税金を払って

年金生活に入る人もいる。

夫はその両方の手をつかって年金生活に入りたいのだそうだ。

年金生活に入ったら、思う存分田舎暮らしを満喫して

旅行もいっぱいしたいそうだ。

これが半世紀経った夢である。あるある。






そんなおっさんでも若かりし頃シングル時代

熱狂的だったアフロミュージックは今も変わらない。

アフロを聴くと血が騒ぐのである。

アフロ系のディスコに行くと

アフリカ人のようなイタリア人の友がいっぱいいて

セネガル人の友といるときに私と出会ったのだ。

一昨年前ついにスマフォデビューをしてから

カセットテープからアフロミュージックを聴いていた姿も更新され

YouTubeなどのメディアの手段で

いつでもどこでも楽しめるようになった。

熱狂ファンであるアフロミュージック専門のDJ

きっと夫と同じぐらいの歳だろうけど、時代にのって

メディアに発信している。よかった。

ディスコリミックスではないが、私も影響されてよく聴いた

Mama Africaをシェアしたいとおもう。


ということで、私と少年からのプレゼントは

一人時間と思い出を大切にそしてその後も役に立つw

木にもぶら下げられるし、地面にだって置けちゃう

アウトドア系Bluetoothスピーカーに決定。

どこにも行けないヴィンチの丘からギリギリにオーダーして

祝半世紀当日、すごいタイミングで配達され

本人が受け取ったとさw

少年羨ましそうだった。


雨の日だった祝い日の翌日、ピンク色の朝が待っていた。

朝食は苦い愛を届けようブラウニーではじまった。



*私がセレクトした過去の関連記事Best 3 Archivi Selezionati

幸せを求めFix You/ Christmas is here

家族のご馳走TartufoBianco di San Miniato

中は暖々、外は寒々BuonAnno a te



Grazie di aver visitato!

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。




にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ


Instagram
 ≫≫≫ obatamakivinci ☆ realmakici

DSC06174

私には近い友と見守る友がいる。

その中でも、イタリアにいて田舎暮らしだから

見守る友の方が圧倒的に多い。


ヴィンチに行きたいと会いに来てくれる行動派もいるし

心を想いで繋げるそっと派もいる。

毎日ふと元気かなと友たちを思い出し

一人自分に心を友に向けながら一日がんばっちゃうときもある。


DSC06161

ある日、友からメッセージがあった。

「モンタルチーノのワイナリーに一泊で行かない?」

本心、先月家族バカンスをしてきたばっかりだから

私は満たされていた。

そして、ブドウの収穫やオリーブのミバエ対策で

頭がいっぱいだった。

なのに、思春期少年にヤキモキしている最中だった。


そう、コロナのせい(!)で”家族”はさらにもっと引き寄せられ

家族との三密にもがきはじめた頃だった。

そして、一步下がって眺めてみよう。

私は常に独りの時間が欲しくて欲しくて

若いときなんか、独り時間を優先して

平日4日出勤を実行していたぐらいである。イタリアで。

仕事で独りになるのではなく

同じ屋根の下でバラバラに独りになるのではなく

独りポッキリ空間と時間を望んだのである。

だから、思春期少年の独り行動欲も十分理解できる。

夫の独りポッキリタイムはたいてい

メディテーション(?!)に費やされるw


DSC06158

「行こうかな。」

私は、それでもヤツラに旅行先のお土産を考えながら

保冷剤と保温バックとカメラをカバンに詰めて、出発した。

エンポリの駅まで、ヤツラが揃って送ってくれた。

ホームには、友が私を探していた。


きゃぁきゃぁいいながら、熟女二人は電車に乗り込み

大笑いしたり深刻に眉を寄せたり

電車の旅はあっという間におわり、シエナに着いた。


シエナって...電車で来たのははじめてだ。

フィレンツェからはバスだったし、ヴィンチからは車だった。

それだけでも初体験で盛り上がった。

シエナの駅のちょっと近代的な新しそうなショッピングモールを見て

あぁここもかとちょっと残念におもえた自分がいた。

不便とか質素ぐらいがちょうどよかったりイタリアっぽいのにな。

むかしイタリアをグルグル歩いた頃を懐かしんだ。


DSC06172

シエナのホームの出口にお世話になる友が待っていた。

きゃぁきゃぁと熟女たちは、再会を喜んだ。

この再会ムードは

日本の友やまだまだ会えない友へも想いを重ねた。


シエナの友がよく行く素敵なワイナリーに行くことが

今回の旅の目的である。

早速、彼女のハイブリッド車を静かに発進させた。


シエナから小一時間はかかったんじゃないだろうか。

そして、ワイナリーって田舎にあるから道に迷いやすい。

迷ってもわからないほど、どの道もどのパノラマも新鮮だった。

丘から丘へ、ハゲたような丘は麦畑らしくもう刈り込まれていた。


そろそろ近づいてきたようだ。

成長が止まって熟れていくブドウがぶら下がった畑が見えてきた。

こっちはまだ2~3年目の若いブドウ畑だ。

こっちはトスカーナの伝統的な樹形だ。それでも若い。

綺麗に丁寧に作業をされていることがわかる。

丸太で架線が引っ張られている。

ここは手摘みを愛する農園だ。

この丸太をみるだけでホッとする。


ブドウ畑の真ん中にセラーも家も食堂も居座っていた。

車が入ってくるやいなや、奥様らしき方が迎えてくれた。

ママの後を追うように、妖精のような子どもたちは

じっとこちらをみている。

ワイナリーの奥様はこんがり日焼けした日本人であった。

はじめまして~の挨拶はイタリア人であった。ほっ。

小さくて可愛らしい奥様の笑顔は接客慣れもあるだろうけど

きゅんきゅんはねた私といくつも離れた若々しさが眩しかった。本音。

なんだかはじめましてではないような

心を繋げる想いのそっと派友のように、遠くにいるっていうだけの

久々の再会のようにきゃぁきゃぁ出会った。

この日3回目のきゃぁきゃぁ。


DSC06145

DSC06150

DSC06147

奥様は、セラーを案内してくれた。

中はヒンヤリ。こんなに外気温と違うのか。

セラーは建物もタンクもなにもかもが新しかった。

そして高級そうだった。

ステンレスタンクは二重層になっていて温度を調節できる。

温度調整のためにその層の間を水が流れるのだそうだ。

床冷房のしくみである。

木製タンクはみるからに高級そうだ。

発酵も熟成もできるから便利だとおっしゃっていた。


現在ビオ(無農薬)の申請中だそう。

モンタルチーノ規制ブルネッロ登録でのビオ申請は

その何年間というブルネッロ独特の熟成方法を達した期間後に

ビオ標章がもらえるのだそうだ。はがゆい。

あの緑マークがあるだけで全然違うんだよね。

本当に無農薬で予防して造り上げている農園の

一番わかってほしい部分。味はともかく。


お隣の部屋は、ブルネッロの隠れ家のようなオークの樽が

格式高く静かに佇んでいた。

Merlot100%の樽、Rosso di Montalcinoの樽

Brunelloの樽、Vinsantoの樽

どうしてこの樽なのか、こだわり理由も教えてくれた。

樽の丁寧な管理の仕方も教えてくれた。

樽とブドウから生まれる菌を継承させることも教えてくれた。

ふと、樽で造る小豆島の醤油セラーを思い出した。


こちらの農園は三代に渡って継がれているそうだ。

その三代分の歴史と技法を継承していくことが

決定的なブドウの造酒となるようだ。

バイオダイナミック農法とはまた違う月の力を利用していること

ニ世帯家族と家族のような作業員で細々と

しかし投資は惜しまず堂々と

天から降りてきたようななんでもできちゃう凄腕ニッポン人妻と

生活も仕事も元気でこれまた凄腕義母さんのフェミニンパワーで

この農園を切り盛りしていることに圧倒される。

ヴィンチにはなかなかないゴージャスさを感じちゃったのである。


DSC06155

DSC06167

この別棟はプロシュットやサラミをねかす部屋。わー、ゴックン

先代、養豚農家だったそうだ。

その伝統的な技法をここでも継承させ

この丁寧に揉まれ吊られたプロシュットは

ワインのテイスティングのつけあわせでドーンと

オリーブの木のまな板プレートにのってやってくる。ワオ

常夏の八月のイタリアの空気に脂肪の白いところが溶けてきた!

口の中でとろける前に、とろけたプロシュットを口にすると

どうしてこんなに美味しいの?! ジュワ~

どんどんいけちゃうw やだ、食いしん坊にみられちゃうわ!

口の中で永遠に続くジュワをお土産用に無理いって

数日分譲ってもらうことにした。あぁ、おばちゃん丸出しw


ジュワジュワプロシュットは溶けるわ

樽の味やら歳を追ったブドウ酒やら

そして出会い&熟女再会やらで、テイスティングは宴と化した。

凄腕ニッポン人妻=奥様と妖精のような子たち

子の世話と接待で大忙しでも時々顔を出しにきてくれたファミリー

一つになっててとっても素敵だった。

コロナ禍で大変な思いをしているのはどこの農園も同じなんだけど

他にない贅沢さとこだわりがあるこのファミリー農園

ささやかに応援したく訪問し

ささやかに紹介したくここに残したいと想う。

いつの日か観光業の復帰を祈り

またきゃぁきゃぁ再会したい見守るそっと派友となりますように。


Santa Giulia diMontalcinoさま

長い時間ありがとうございました。


DSC06178

DSC06185

DSC06179

農園を出てすぐ、なんだかZabriskie Pointの映画のような

裸の丘が一面に広がった。

そう思うと、頭の中でBGMが流れ出しちゃう。



まるで幻想のようだった。

日の傾いた丘はコントラストが薄く長く、丘は白黒のようだった。


シエナの友が、ここはオルチャ渓谷だよ、と教えてくれた。

あぁ、また走ることができた。

数年前も家族でアミアータ山をめがけて走ったっけ。

今日はアミアータ山を横目にシエナに向かった。

行けども行けども丘だらけであった。

道に迷ったという友の心配を他所に

日が暮れ周りは青くなった裸の丘は静かに光り

私は真っ暗になるまでZabriskie Pointを聴いていた。



*私がセレクトした過去の関連記事Best 3 Archivi Selezionati

峡谷で極上サラミを食べるの巻versole Marche vol.4

バイオダイナミックワインの瓶詰めImbottigliamento

前は今は後はversoil cielo



Grazie di aver visitato!

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。




にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ


Instagram
 ≫≫≫ obatamakivincirealmakici


DSC05129

少年が起きてこない。

起こしに行った。いつものことだけど。

「あぁぁ、今、起こさないでぇ。イイ夢みてるの。」

「へ~、どんな夢みてるの?」

「あーん、嫌だ、寝かせて!」

「え、え、でもさ、夢ってすぐに言わないと忘れちゃうんだよぉ。」

「みんなでビーチに行ってる。」 そうなんだ、誰と?

「みんな。」 お母さんいる?

「うん、お母さんいる。お友だちもいる。みーんな。」 何やってるの?

「Festeggiare(お祭り騒ぎ)してる。」 何の?

「コロナが終わったから。」 そうなんだ。

それはイイ夢だね。もうしばらく夢の中にいさせてあげよう。



DSC05108

ヴィンチの丘は、春がとっくに来て、地面の花は咲き乱れ

藤棚のフジは咲き乱れ、ここしか花がないかのように

ハチはやってきて飛びまわり、貯めてある雨水を吸っていく。

よくみるといっろんな種類のスズメサイズの鳥たちもやってきて

パンくずつまみにきたり、こぼれた種をつまみにきたり

刈った草まで持っていってる姿は巣でもつくるのかな。



DSCN9897

パスクアの日(Pasqua/復活祭/イースター)

閉じこもりなんてしていられないほど天気が良かった。

私たちは、肉を焼いて、スキアッチャータを焼いて、ポテトを焼いて

アボカドサラダにタンポポの莟の塩漬け混ぜて

農主のビオディナミワインで乾杯した。

ボクも、とG.A.S.で購入したBioのリンゴジュースを持ってきた。

よし、乾杯~。

いつもの三人じゃなんだかつまらないんだけど、いつものことだから。

なんせ今日、三人揃ってランチを外で食べている。

眩しい・・とか、暑い・・とか、必ず文句が出てきて

ハッピーエンドに終わらない家族で(いつものこと)

最後に外に残っているのは私だけ。

結局食後家族バラバラ、私はサマーベッドの上で昼寝した。

あぁ、気持ちよかった。

少年に「夢の続きはどうだった?」と聞くと

「お母さんが何回も邪魔したから続きが見れなかったよ!」

何度もあのシーンに戻ろうとしたけどできなかった・・・と

残念そうに言う。ごめん。



DSCN9903

パスクワの日Tg(TVのニュース)で

ロックダウン下のイタリアの街の一人パスクワを取材していた。

そういう人はいっぱいいただろうな。

だからクリスマスやパスクワなんかに家族が大集合するんだもの。

私も季節の行事に合わせて実家に帰っていた。

それができずに、友だちとも会えずに、外にも出れない。

一人暮らし時代を思い起こした。

イタリアではマンション内で手作り料理をエレベーターで送りあったり

テラス越しで隣人と乾杯しあっているほっこりシーンであった。

人がいるから笑えるし、人がいるから悲しむんだよね。

人のために仕事して、人のためにお金を使うんだよね。

自分のためのようで、人がいるから自分が成り立っているんだよね。

人が繋がるから社会なんだよね。

日本の一人暮らし時代のあのマンションでは・・・

そんなことが起こりえるかなぁと疑問が湧いた。大昔だけど。

隣の人の顔は知らなかったし、誰が住んでいるかもわからかった。

こんなに人が近くにいるのに寂しい環境だったよなぁ

と今更ながらに思い出した。

もしあのときロックダウンになっていたら。

そんな風に置き換える時代がいくつかある。

もしあのとき・・・。



DSCN9905

時代を置き換えることもできるが

終息後の未来も想像しなくてはいけない。

そして、その前になぜ感染病が拡がっていったのか。

過去の自分はどうだったのか。

ちっぽけな私が立つ地球はどうなのか。

ロックダウンで何に気がつき何を学んだのか。

考えることがいっぱいある。

この時代に生きて、これらも考えずに簡単に忘却して

終息乾杯はなんだかできない。

今、だからいっぱいいっぱい考えたい。

一人で考えたい。

静かに考えたい。

生活しながら考えたい。

そして、思い出したい人との繋がりを。



DSC05152

近頃、こうやって振り返るドキュメンタリーやレポートなどの

番組や記事、本までもが出ている。

納得することがいっぱいあるし、人の言葉や考え方によって

気付かされることもいっぱいある。

とても刺激的でむしろポジティブになりやすい

厳しい考え方や明快なもの語り。

過去の忘れたくないこともあれば

過去を繰り返してはいけないこともある。

未来に生まれてほしいこともあれば

未来へ続けてほしいこともある。

まだ私には記録する自信がないからまとめないけど

そんなことを考えながら春を過ごす。

サマーベッドの上で、春の香りと春の音を聞きながら。



*私がセレクトした過去の関連記事Best 3 Archivi Selezionati*

世代交代 ブドウの収穫 Vendemmia 2017④

天国という名の大地 Terra si chiama Paradiso

緑の中でお昼 la mia famiglia


Grazie di aver visitato!

最後まで拝読していただきまして、ありがとうございました。




にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ


Instagram
 ≫≫≫ obatamakivincirealmakici

↑このページのトップヘ