私にはたくさんの友がいる。
会わないけれど、心は繋がっている。
会わないけれど、会ったときはまるで
昨日もしくは一週間ぐらいしか経っていない
そんな気持ちで久しぶりなのに
久しぶりに感じない。
来月30歳になるという
シチリアからトスカーナに引っ越して3ヶ月
パレルモ近郊ど田舎育ちのシングル女子と
仕事をした。
今の若い子たちは、人種差別があまりない。
きっと学校では普通に
様々な人種が通っていたに違いない。
だから、へたによそよそしい大人より
若い子たちの方が私は
話しやすかったりする。
話をしているとやっぱり若く
彼女たちの今とこれからを想像して
ワクワクするし楽しくなる。
とりあえず人生のアドバイスをするが
ひとそれぞれの運命を追いながらの人生だ
アドバイスなんかじゃない
結局は、私をなんとなく見て知ってもらって
印象に残ってくれたら嬉しいとおもう。
友だちがまだいない、ということだった。
だから、友だちの話をした。
友だちって
会わなくても友だちでいられることが
友だちだよ。
ある食品会社の仕事が一段落したが
また近々一緒に仕事がしたい
ということだった。
私はあまりグループに馴染めてないかな
と、思っていたけど
自分をもっていておどおどしてないところは
誰かがやっぱりみつけてくれていた。
彼女たちは、とにかくおしゃべりで
私とは正反対だ。
私だって話すときは話すけれど
私は、時を待つ。急がない。
なんせ、仕事中ですもの。
出荷が終わって穏やかな時間、そうやって
シチリアシングル女子と語り合ったり
はたまた長年のベテランと話す間があった。
性格の明るいベテランは、私たちの会話に
「何話してたの~」私も入れて~
みたいに入ってきた。
ベテランなのに
ピリピリしてないところが好き。
同じ歳で
一人息子がいるところなんかも同じ。
息子さんは18歳で
高校5年生で最後の年だ。
ベテランの息子さんと一度だけ
ちらっとお会いしたことがある。
素直そうな青年だ。
あの時確かに
わーと私を見ていたのは覚えている。
帰宅後、息子さんはお母さんに
「あの人と一緒に仕事してるの?」
と聞いてきたそうだ。
「そうだよ。」
「へぇ、かわいい人だね!」www
「あの方ね、普段話さないんだけど
話すときは、正しいこと言うのよ。」
...なんていう会話をしてくれてたのだ。
嬉しい!
という話をしながら、私が口をあけるときは
人が話を聞いてくれるときだよ
という話をした。
「確かに、あなたは人の話よく聞いてる。」
静かに働く私になったのは
今にはじまったことではない。
イタリア語ができるできない
もあるかもしれないけれど
誰もいない大地でブドウやオリーブ
空や虫と共にした空間の心地よさを
知ったからかもしれない。
ううん、それだけじゃない。
もともとは、日本で体験したことだ。
学生を卒業して、初めて入社した
横浜の木工会社の影響が大きい。
その木工会社には
聴覚障害者が数人働いていた。
彼らは、聴こえないし
自分の声が聴こえないから
声にして話さない。
彼らと話すときは
私も声にして話さなかった。
目だけでもしくはジェスチャーだけで
遠くからも合図し合ったり
あるときは笑い合ったりもした。
目が合うと、いつもにっこりしてくれた。
怒ることもあるだろう
でも怒鳴ることはできない。
ちょっと通じ合えないとき
寂しそうな顔をして諦める様子だった。
私は当時21歳だった。
私は、彼らと一緒に仕事ができたことが
一生の宝となった。
言葉を大切にしようとおもった。
どんな人とでも言葉と目で会話をしよう
とおもった。
話を聞こうとおもった。
考えようとおもった。
答えようとおもった。
にっこりしようとおもった。
静かに生きようとおもった。
全部表現できなくたって
普段の姿勢で表現できたらいいのではないか
とおもった。
きっと彼らは
私がこんなにも刺さった出会いだとは
思ってもいないかもしれない。
私は、わざわざ出会う人ごとに
この体験を語ろうとはおもわない。
私は、彼らのような姿勢と私にできること
両方を表現できたらとおもいながら
個人や団体と接しているのだ。
それと
私は、今この仕事のやり方で生活をする
と決めた意志が、どんな環境でも
おどおどさせないのかもしれない。
それと
人生の経験を積んできた
年齢というのもあるのかな。
息子関係の話をしているとき
未成年の思春期時代って
なんにも怖くなくって
未来のことなんかちっとも想像できなくって
今が楽しくって、親が守ってくれてて
先進国の人だったらみんなそうだとおもう。
ある人は、あの時に戻りたいと言う。
ある時私も
同じことを言っていたような気がする。
でも今は、戻りたいとはもうおもわない。
うっとり思い出して楽しむのがいいな。
だって
こんな大変な人生がまっているんですもの。
戻らない代わりに
一日一日を大切にしようとおもった。
今年は、ブドウの収穫が手伝えなかった。
収穫前に摘みに行ったブドウたちは
元気なヤツとそうでないヤツがいた。
変な気候だったけれども
がんばってるヤツはすぐわかる。
味を濃厚にして、輝いていた。
彼女たちをみて、また勇気がでた。
今日のTrailer
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最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。
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