大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:Vendemmia

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2021年の幕が開けた。

SNSでは豪華なおせちや年越しそばで賑わっているのを横目に

ヴィンチの丘では、丑年にちなんで

せっせと牛のしっぽを煮込んでいた。

私の少女期青春期、年に一回ぐらいの割合で

「テールが手に入ったわよ~。」と、おばちゃんは

自慢の圧力鍋でしっぽをクタクタにし

デミグラスソース風に仕上げたしっぽの煮込みは激ウマだった。

帰国の度にリクエストした。

忘れられない、どーしても再現したいじゃないかっ!


はじめて牛のしっぽを一本丸ごと買った。

付け根は肉付きがよく太く、先っぽは先っぽらしかった。

関節ごとに切断してもらうと、11個あった。

骨髄みたいなところからゼラチン質のコラーゲンがたっぷり出る。

骨にくっついているどちらかというと少なめの肉は

ずっと煮込めば柔らかくなる。

ただ脂のようで脂ではないねっとりしたゼラチン質は焦げやすいので

ずっと土鍋の横で見守った。


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年が明けてから3カ国の友たちとビデオ通話をした。

昔では考えられない。

Gettoneという公衆電話のコインを握って並んだっけ。

そんな在住経験のあるコイン時代の友たちであった。


ものつくりの友は自身の個展をこのコロナ禍中開催するにあたって

招待と同時に動画やネットでもリアルタイムに発信していくことで

遠方の方や体の不自由な方が訪問できる世界が広がったという。

もちろん生でリアルの方がいいけれど

行けない人忙しい人には、便利な手段であった

と勉強になったそうだ。開き直ると、あえて活発に取り組めるそうだ。


コイン時代、ネットなんか当然なくって個展をするのに

招待状をつくって送って配って配って配りまくって

ただひたすらお客さんを待った自分を思い出した。

体の不自由な方だって忙しい人だって遠い人だってもちろん待った。


今は情報や共感のシェアが身近になって

こんなど田舎のヴィンチにいたって

向こうのど田舎の発信が受け取れることに

コロナ禍の学びで改めて気付かされたことだった。

これを先取ってやってた人はコロナ禍の苦味はないということだ。


Bellissimo Canaiolo che colore!-

我が家は三が日牛のしっぽを食べ続けた。

ワインとトマトで煮込んだ俗in umidoというレシピで。

伴に、農主のCanaiolo Nero(品種)100%のワインで乾杯した。

ねっとりのしっぽにも負けないフルーティさと

カナイオーロ独特な爽快感があった。

情熱的に造ったワインは、いちいち作業とか風景が思い浮かんだ。


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そのワインを買っいに行ったとき、長老は外でうなだれていた。

こんな寒いのに、大丈夫なのかなぁ。

いつも会う度に、家族の一人一人を心配してくれる。

そして、気候変動に失望し、昔のことを語った。

その日、瓶詰めの間もうなだれっぱなしで心配になった。


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あの時のうなだれは、とうとう永遠の眠りとなってしまった。

長老の訃報はあとになって知った。

きっとこんな時だけに家族はひっそりとさせたのだろう。

訃報が速攻伝えられてもこんな時だから向かうことはできなかった。


長老は、老衰だったそうだ。

奥様がアルツハイマーになったあと 長老は腸を壊した。

ブドウ畑にきても、11時頃と16時頃は奥様のもとへ

しっかり戻っていった。それまで私と長老でぶどう畑の作業をした。

長老はだんだん痩せてきた。

腸を壊してから、食べられないと言っていた。

それでもブドウ畑にやってきて

自分ができることをできる分だけこなしていった。

それがとても役に立っていた。


冬の剪定に関しては欲張り剪定で、甥である農主と反対だった。

春の剪定も欲張りだった。しかし、昔の人は

果実は大地の恵みであって捨てられない、それだけのことであった。

農主と農法が違っても、有機栽培には変わりなかった。

ブドウの木の支えにしている笹の枝も長老は

自分で刈り取って、古くなった枝と交換していた。

ブドウの枝を架線から取り外す作業だって

取り外したら、一本一本細かくして暖炉用に仕分けしたり

トラクターで撹拌しやすいようにサイズにあわせて横に並べた。

私と時間をかけるところが違った。


天気のこととか葉っぱの色とか今年の芽の出具合とか

農主より早くに察知しているところがあった。

あれは長年の経験としか言いようがないだろう。


ブドウの収穫Vendemmiaの時、甥がセラー作業のときは

長老が指揮をとった。あっちにサンジョベーゼがある

こっちにトレッビアーノがある、というように。

お昼のテーブルでは長老の席は決まっていた。

私も夫も少年も招待してくれた。

お昼休み、少年とサッカーボールで遊んでくれたこともあった。

私は、手加減してよ、少年! と おじいちゃん転ばないでよ! と

ソワソワして見てられなかったけど

あれも一つの思い出になっちゃった。


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オリーブの剪定も長老がしていた。

農主はオリーブの剪定はしない。大地派剪定を習っていたが

やっぱり時間がないということを理由に長老に任せていた。

長老は、樹形に性格が出てたほど

均等のとれたデザインされたような樹形を決めていた。

オリーブの剪定士としてご近所さんのオリーブも手掛けていた。


でも腸を壊してから、体の機能が衰えていき

はしごが使えなくなった。周りが止めたのである。

オリーブの栽培でいっちばん事故率死亡率が多いのが、このはしご。

はしごの危険性と体力を要する作業だから

私がオリーブの剪定をしていることを

すごく褒めてくれたし応援してくれた。そして、ライバルだった。


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長老と同じ畑で過ごすことが多かったこの残りの数年

私が畑の中にいた距離は、長老の亡お兄さんにみえていたようだ。

タイムスリップさせていたみたいで、それはそれで嬉しかった。

あの頃と似てる...とか、あの頃を思い出す...という

記憶の中のなんでもない平常の温かい空間

その夢心地感を味わえてよかったと想う。


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夢心地の姿や年輪のような手で作業する姿

子ども心に少年と遊ぶ姿、ワインを水で割って飲む姿

きっと私は、家族よりも写真に収めているとおもう。

だからもっともっとより深く思い出に刻まれたし

些細なことも思い出せる自信がある。

家族とは別に私との世界はブドウ畑の仲間だった。


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長老は、ネットの世界なんかコロナの世界なんか

なーんにも知らないで逝っちゃった。

知らないのに、もっともっと昔が良かったって。

進化しては思い出し、進化しては思い出して

私たちの昔って、個々のやっぱり少年期青春期なんじゃないかな

なんておもう。

コロナ禍だって進化の中の少年や青年は

昔は良かったなんていうかもしれない。

私も昭和時代とリラ時代をよかったっていう。


毎日毎日長老がいたブドウ畑の姿をシェアしたいと想う。

ぜったいに忘れないよ、おじいちゃん。



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年輪の手で果実の狩人 Vendemmia 2020 vol.4

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虫がわらってるようにみえた。
無表情でせせらわらっているように感じた。

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三軒目の農園でブドウの収穫(Vendemmiaヴェンデンミア)が
ついに初秋二度目の雨降りの前に終了した。

こんな私でも文句をいっぱい言った。
雨で一年間の苦労が台無しになっちゃうよ。
週末だってブドウを摘んだ。

雨のあとは湿気が残り、陽が出ると虫が飛び回る。
曇ると蚊が日中でも近寄ってくる。

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世の中にはいろんな人がいるもんだ。
いろんな人がいるから似た者同士をみつけることができたり
注意をしながら生きたり
じつは様々なことができるんじゃないかと思う。

固定観念に縛られないよう柔軟に受け入れて
逸れないように自分の意志を固めていく。
間違っていることに気がついたらフレキシブルに受け止めるべきだし
意見を交換しあって気がついていくものだ。

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日曜日のヴェンデミアで、農園の主宅でお昼をご馳走になった。

近所付き合いが深いこともあって、突然なのに我が思春期少年も
誘ってくださった。あっという間に現れた。
一応、クールに照れながら挨拶をして着席した。

主の奥様と息子さんが、じーっと私と少年を見つめている。
「すんっごいソックリ。」奥様がぽろっというと
横にいる息子さんがうんうんと頷いた。

私に似てるのか...。
きっと顔だけではない。何かオーラも似ているはずだ。
とりあえず「輪郭はお父さんだよね。」と私は付け加えた。
何が似ているんだろう...。

ご馳走になっている間、終了するまで
席を立たず座っていてくれただけでも安心した。
主の家族はみんなどっかへいってしまった。
主のおばあちゃんとソファーに座って何か話をしていた。
そういうときは、優しい少年にみえる。

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思春期少年とぶつかることがしばしある。
ぶつかるといっても、お互いが一方的なようにみえるけど。

一度言われたら覚えろとこっちは思うがそこは家族
甘えてスルーになってしまうことが日々の暮らしの欠点のように思う。

どこで覚えてくるのか乱暴な汚い言葉をお経のように羅列する。
そうだ。私の躾だと思っている命令は
それもお経なのかもしれない。

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近頃そういうわけでうるせーやつらがブドウ畑にも家にもいて
ふと思い出した。「うる星やつら」w
イタリアだとLamùで知られている。

イタリアでも'70年代'80年代の日本のアニメは
現在40代50代のイタリア国民は
ほぼリアルタイムで釘付けになっていた。

それが相重なってニッポン好きがイタリアにはいっぱいいて
どの日本人とでも話があったりするのである。

残念なのは主題歌が日本語のオリジナルではなく
子どもたちが覚えやすく歌えやすいイタリア語で
イタリアンミュージックになっちゃているので、鼻歌しても通じない。
アニメのタイトルも違ってたりするので
こっちが首を傾げることが多々ある。

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これは一部。ググったときにでてきたのを画面コピーしたもの。

話はとんだが、農園の主には息子と娘がいる。

息子は以前、今の仕事に就く前
一年のブドウの作業も手伝って収穫にも精を出してくれていた。
トラクターも運転できるし、力仕事のSvotasecchiズヴォタセッキ
(摘んだブドウが入ったバケツをトラクターに移す作業)もやっていた。

しかし、息子だからお給料制ではなかったようだ。
必要なときに与えてたそうなんだ。

だんだん友たちが自立していくにつれて
なんかおかしいことに気づいた。

まず自分がやりたいことではなかったこと。
社会経験をしたくなったこと。
お給料が欲しかったこと。
自立したくなったこと。

彼は車関係が好きだったので車の販売員になった。
もう農園は手伝っていない。

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娘が今回のヴェンデミアに顔を出した。
前にもいた。前は私は2・3日手伝っただけだったので
全てをよく知らないけれど、私と列を組んだ時
彼女は指を鋏で切った。軍手をしていなかった。

今回は、軍手をしていた。
そして、トラクターを運転して、女子なのにSvotasecchiまでした。
しかし、来たり来なかったりで当てにならなかった。

勉強も完了させることができなかったそうだ。
農園とは別の仕事も親戚のコネで働かせてもらっていたそうだが
辞めちゃったそうだ。

驚くほど社交的に成長して、体格もよく美人な彼女は
まだやりたいことがみつからないのであろう。

彼女だって、農園には全く興味がない。

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いつも世話になっている(?)世話をしている
長老がブドウ畑を歩く農園の農主も年金者だ。

あんなに継承を心配していたところが
ひょっこり娘さんが現れ、農園を手伝い始めた。
農主だって40歳後半になって農園を引き継ぎはじめ
今は娘さんが農主と同じく気が変わって受け継ごうとしている。

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私が思春期少年とぶつかるにあたって
まずは自分の好きなことはなにか、優先順位と選択の意志を
言葉少なく教えていこうと想った。

相談する人が身近にいなくても
なんとなく身近な人たちが
遠回しに教えてくれているような気がする。

人と触れ合うことが少ない環境だからこそ
人の行動や言葉がよくみえるしよくよめる。

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ブドウの隙間に小さなトカゲがこっちをみてた。
逃げずにこっちをみてた。
そして後ろ向きになって、まだブドウの隙間に残ってた。
私がちょん切らないことがわかるんだ。
ニヤっとわらったように感じた。

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言葉少なくBisteccaビステッカ(Tボーンステーキ)を口にした日
その日に思い出した20周年結婚記念日であった。
結婚記念日のおかげで美味しい夕食だった。
Dolceドルチェ(お菓子、デザート)まで買ってきた。
ヴェン友オススメのPasticceriaパスティッチェリーア(お菓子屋さん)で。


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あぁ、この虹に出会うために今日があったようだ。


あぁ、こんな言い伝えに出会うために果実を摘んでいるのだろう。



虹は、奇妙に二色のようにみえた。

黒っぽい雲ともくもく白い雲と薄く染まった青い空と

弱った黄色い光りの複雑な空を

農園の主は何度も何度も不安そうに眺めた。


そんな空に現れた虹をみて

ブドウだけをみつめている私たちに

「赤い色が太いとブドウが豊作で

緑色が太いとオリーブが豊作なんだ。

みてごらんよ、今日の虹は二色しかない。どっちも豊作だ。」

そんな言い伝えが昔から言われてたよなぁ、と主はつぶやいた。


私は男たちと虹をみあげた。

若いブドウの木の収穫はブドウが低い位置にあった。

私たちは腰が痛くてすぐにはピンと伸ばせなかった。

でもその二色のような虹をみたかった。

腰に手を当て、虹とその話にききよった。


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ここの農園は、半分機械化するためのブドウ畑に

ここ数年仕上げてきた。

半分は生産用に残しておく。

その古いブドウ畑のブドウを手で摘んでいる。

手摘みをしている間に、待望の収穫マシーンが

到着するはずだった。

しかし、ここはやっぱりイタリア。予定日の朝には来なかった。

雨が降った前日の夕方にピカピカに到着した。


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なぜブドウ畑を機械化することにしたか。

農園の主兄弟、答えは一つだった。

毎年、人手を集めるのが困難になってきたからだそうだ。


がんばり屋な人材が確保できない。

天候に左右されて毎日続くわけでもない。

いつはじめるかもブドウ次第で正確に伝えられない。

がんばり屋はたまたま失業中で出会ったけど

すぐ仕事をみつけてそっちにいっちゃう。

若者は肉体労働ができる根性はあまりなくって

二日もしたら来なくなる。

個人で本業でやってる人材をキープするのも難しい。

だから熟れた男たち、早く年金に入った男たちに

声をかけちゃうそうなのだ。


人材を呼び込む方法はもっともっとありそうだけど

なかなか違うことに投資はできないし

ITの世界にとびこめる世代の農園はなかなかいない。


去年なんかBracciante(季節労働を仕切るボス)率いる

パキスタングループをよんで、わーっと収穫したそうだ。

我が家の隣の農園なんか

そのパキスタングループを雇って満足してたから

ここの主兄弟も喜んでいるのかと思ったら

「アイツはさ、作業が早く出来てりゃいいんだよ。ウチは違う。」

ボスは労働者に水もあげないでさ、怒鳴ってて

それ見て心が痛くなっちゃった...と悲しそうにいう。...そっか。


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ここの主兄弟の農園は、我が家の一番近くの農園で

以前夫が手伝いにいってた農園だ。

小さな息子を引き連れた私は、当時断られた。


その頃のヴェンデミア(Vendemmiaヴェンデンミアブドウの収穫)は

毎日がお祭り騒ぎのようなランチ付きで

夫は毎日、今日は何を食べたとか私たちに報告する。

収穫終了の夕食会は、私も息子も誘ってくれて賑やかだった。

みんな顔を真っ赤にして踊ってた。

これぞ収穫祭だった。


夫の仕事力とコミュニケーション力がすこぶる頼もしかったことと

近所ってこともあって、それから近所付き合いがはじまった。

そこで誰も知人のいない田舎暮らしでも

何かあったらあそこんチに逃げるんだよ!と息子に教えたほどだ。


私がブドウとオリーブの剪定の勉強をして

あっちこっちで経験を積んでいることを気にしてくれていた。

息子も一人で動く思春期少年に成長し

やっと仕事に集中できるときを待っていた様子だ。

でも遅かった。

手摘みから機械化に世代交代しちゃうなんてぇ...


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機械化に更新するにあたって、新しくブドウ畑を耕すことによって

国からの助成金を実際の経費の三分の一ぐらいかな

もらえるらしいんだけど、申請も工程も経過も調査されるらしい。


そこで、代々受け継がれたヴィンチの丘では珍しい

Pergolaペルゴラ(樹形;ブドウ棚)も解体しなくてはいけないそうだ。

高くて腰を曲げずに作業ができたのに!

趣があってここの農園の謳いどころのような気がするのに。

家の裏にあって、夏場の逃げ場だったそう。

そこからのヴィンチ村の眺めは最高だ。


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雨が降った。

私はまた寝た。

午前中の二度寝は金縛りにあったかのように爆睡して

体温がほどよく保たれて、すっごく気持ちがいい。

ずっと続いてたブドウの収穫で疲れていた。


風が吹いた。

私は歩いた。

オリーブが膨らんで色が変わってきた。

風で下に落ちちゃったオリーブもあった。

それでも強く育てたオリーブたちは何事もなく風に揺れている。

これで気温が下がれば、おいしく熟れる。

虹の緑色はオリーブだ!



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ついにグローバルなブドウの収穫 Vendemmia 2018 vol.3

世代交代 ブドウの収穫 Vendemmia 2017 ④

美味しい収穫 Vendemmia 2019 vol.2



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私は、人の手をみるのがすきだ。
手が、職業を物語っていたり
なんだか性格までみえるような気がするし
人生みたいなものもうっすら想像しちゃうし
そして、樹木のような年ごとに増えていく成長輪
年輪が手からみえたりもする。

大きい手でがっちりしている手は
力仕事をしてきた汗みたいなのも感じるし
細い指の手は、細かい作業をコツコツしてるんだろうなと想像する。
水仕事を丁寧に毎日してそうなちょっと荒れた手は
手をみるだけで生活の愛情が伝わってくる。

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私の手は、細かい作業にも得意な手だったけど
剪定鋏をもったりノコギリをもったりするようになってから
手に筋肉(?)がついたのか、結婚指輪も入らなくなってしまったw

豊満なブドウは重く、肉を鷲掴みするようにブドウを掴む。
果実は果皮がはじけて真っ赤な果汁が手にしたたる。
まるで血のような果汁は、ブドウの魂のようにも感じる。
彼女(ブドウは女性名詞UVAだから)の血を
私たちは呑んで潤って、生活に艷を与えたり寿をふきこんだりする。

私の手は、そういうわけでブドウの色に染まってしまった。
鋏をもつ手と果実をつかむ手
どちらにしろ危険だから軍手をしてても
黒ブドウの果皮にある色素アントシアニン(伊Antociani)は
手をどんどん染めていく。
レモンやお酢などのクエン酸(伊Acido Citrico)でおちるそうだ。
が、私の手は染まり放し。
ブドウの一部になったようで、染まった手がすきだったりもする。

軍手に穴があいている。
3回ぐらい犬にパクッと軽く噛まれたような痛みの切り間違えをした。
きっとその時かもしれない。
それとも枝や草に引っかかってあいたのかもしれない。
軍手をしててよかったと思うことが何度もある。

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8月からやっていたワイワイ農園が一段落し
次は、年輪がくっきり刻まれた熟れた男たちのチームに紛れた。

どこに行っても、世代が違っても
癖があったりおしゃべりな人ってどこにでもいる。
おしゃべりな人ってね、ホント一日中喋ってんの。
沈黙が怖くなるのか、自身のアピール法なのか
自慢なのか社交的にすべてを共有させたいのか。

一列につきあっちとこっちでペアとなってブドウを収穫するのだが
だんだんペアとなる人は自然と決まってくる。
人が足りないときには、人のいないところについたり
朝やランチ後の集合具合でペアがずれたりする。
そういうわけで半日ペアは変わることなく、列を移動していく。

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ある半日、おしゃべりとペアになったとき
こんな私でも辛くなった。
私が返事をしなくても声は大きいから誰かが相槌をうっている。
誰かが返事をするからおしゃべりはNon Stopなのである。

私は人が話をしているときにメディテーションができる。
そのおしゃべりは雑音ぽい場合である。
しかし、その雑音はボリュームに関係することがわかった。

一番向こうの列まで聞こえるおしゃべりのボリュームは
私のメディテーションを邪魔するのであった。
そうすると大音量の雑音と雑念で
だんだんイライラしてきてUffaと何度ため息をついたことかw

しかしこのおしゃべりの手も黒く染まって
同じ豊満なブドウを掴んでいた。
おしゃべりは、一年中ブドウ畑で作業をしている手だ。
そして几帳面に、小さなブドウ(Femminella)も掴んでいる。

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おしゃべりとは打って変わって
難聴の男は無口に黙々と作業をしている。
汗が額だけではない、顔中に粒々となってくっついている。
心配になるぐらい汗だらけだ。
ヴィンチの丘の上で風が吹いたとき
私と彼は両手を広げて汗を拭った。

言葉なんていらないと思うときが何度も何度もある。
何かが欠けてても、共有できることはいくらだってある。
何かが欠けてる人は、何かが優れている。

この年輪のある男の得意は、根気強さと作業の速さのようだ。
そしてその分厚い手が止まると、とたん優しい表情を無口にみせる。

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半日だけ、農主のブドウの収穫を手伝いにいった。
おじいちゃんに挨拶をすると
「おー、どこに行ってたんだ。」 えへ。
この娘は一年の作業をやってくれるがんばりやさんだ。
この全部の畑だぞ!
とみんなに紹介してくれた。よかった覚えててくれて。
おじいちゃん、いつもの鋏をいれる牛の角をぶら下げて
ブドウを収穫していた。

おじいちゃんの手はね、年輪のある筋肉が減っても
穂軸の間に指を入れられる細かいことができる手なのだ。

おじいちゃんの手も、真っ赤なブドウの血でまみれていた。
私たちは果実の狩人みたいだった。


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暑くはじまって、まだ暑いまま。

数年前からヴェンデミア(Vendemmiaブドウの収穫)が
8月からはじまりだして、気候の変化に嘆きはじめた。
“La vendemmia di Agosto...mamma mia!”
暑くて、具合悪くなっちゃう人が出て
体の強さとか外の仕事の慣れとか
そんなことが浮き彫りになる季節労働だった。

去年はどうにかこうにか9月にはじまって
10月のはじめに終わったのをよく覚えている。
オリーブの収穫が間近で、オリーブの話をいっぱいした。

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今年は8月の終わりから私たちはずっとヴェンデミアをしている。
具合の悪い人が出ないように
暑い日の労働時間を午前中に集中させて
水もいっぱい提供してくれた。
あまり少ない労働時間だと収穫にならない。
セラーのタンクをいっぱいにしなければいけないからだ。
早朝から長めの休憩をはさんで14時まで通し。

その休憩のときにイタリア式第二のColazioneコラッツィオーネ(朝食)を
するのである。Merendinaメレンディーナ(ちょっとおやつ)ともいうし
Merendaメレンダ(本気おやつw)ともいうかしら。
ランチタイムがない分、その休憩でワイワイダラダラするのである。

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仲間が「昨日摘んだやつだよ!」と
Merlotメルロー品種のブドウのスキアッチャータ
(Schiacciata con l'uva)をつくって持ってきてくれた。
おいしくできたじゃん!
本当のレシピはこのブドウの品種でつくるとおいしいよ
というのがあるのだが、なんでもよさそう!
甘くてフルーティなCanaioloカナイオーロなんかもイケそう。

塩派の人は、私がPizzaのときにほぼ必ずつくる数日保存できる
Schiacciata secca(カリカリスキアッチャータ)白ごま入りが
気に入ってボリボリおせんべえのようにつまんだ。とまんないねw

あとは疲労や日焼けに必須、ビタミンたっぷり旬の果実を
みんなで分け合った。
プルーン(Prugneプルーニェ)だったり、洋ナシ(Pereペーレ)だったり
すっごい栄養価のあるナツメ(Giuggioleジュッジョレ)だったり
この時期に成るイチゴ(Fragolaフラーゴラ)て美味しいんだよね!
どれもトスカーナの田舎の家にはメジャーすぎるほど
植えてある果実たちである。

Uva da tavolaウーヴァダターヴォラ(生食用の実が大きいブドウ
テーブルグレープ)をみつけると、それをみんなで分け合った。
テーブルグレープて買うととても高いよね、という話になった。

トスカーナ、特にキアンティのワイナリーでは、この手の品種は
畑のところどころに植えられていて、偶然発見することが多いw
あ、こんなところに!
で、忘れちゃうことが多いので、その場で食べちゃうことが多いw

スーパーや果物屋さんでみかけるテーブルグレープは
たいてい南イタリア、特にシチリア産が多いそうだ。
しかし、見た目重視のフルーツは農薬をいっぱい使いがちだそう。
農薬反対運動をしているここの農園の主が力説していた!
種無しブドウは農薬プラスホルモン調整された人工的ブドウだそう。
ということで、庭にテーブルブドウを植えて育てて食べた方が
安心だね、ということになった。
藤もいいけどブドウの棚もよくみかけるトスカーナ。

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ニワトリを飼ってるという仲間が
フレッシュタマゴをお裾分けしてくれた!ありがとう!
そのタマゴを生卵ご飯に、房総・富津の金谷で出会った
漁師料理かなやのワカメとカジメのインスタントスープで完璧である
と、仲間にいうと...
ウェェ...と嫌な顔してこちらを見る。
そう、こちらの人は、生でタマゴを食べれる人が少ないのだ。
アツアツごはんに生卵、最高じゃん!と豪語すると、もっと引くw
茹で卵より生卵のほうが消化にいいんだよ!といっても興味ナシw

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食べ物の話はどこに行っても共通の話ですぐ盛り上がる。
たいてい食べ物の話をしだすのは、お昼近くなってきてからだ。
空腹時にグルメ情報交換して
妄想しながら収穫している私たちを想像してほしいw
10時頃のおやつが消化して、気温も上がってきた
13時から14時の間が一番辛かった。
でも無言になることはないおしゃべりイタリア人。

そして、遅いランチの後の昼寝がまた気持ちいいのだ。

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そろそろあっちこっちでもヴェンデミアがはじまる様子だ。
準備をしてるのかトラクターの音が聞こえてくる。
暑くてもなかなかアルコール度数が上がらなかったブドウが
いい状態になってきたという話をきいた。
近所のブドウの収穫も手伝ってこようと思う。
これからはいよいよ気温が初秋に入りそうな予報だ。
通常労働時間に戻り
早くヴェンデミアを終了させることが先決となる。



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