大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:Viti

Vermentino in Vigna


2017
831
日、ヴィンチの大地では、ブドウの収穫が始まった。

Alba


収穫の初日は、朝の日の出と共に始まった。

少年も日の出の光と待ちに待ったブドウの収穫に胸を躍らせた。


Capello da Contadino sul Tino Antique


Viticoltura Biodinamica Moderna
ヴィティコルトゥーラ ビオディナーミカ モデールナ(ブドウ栽培現代バイオダイナミック農法)の農主は、どうしてもコレとコレ、アソコとアソコの収穫をしてしまいたい。

Vermentinoヴェルメンティーノ(白ブドウの一種)は、もう少し熟れてからでもいいかもしれない。しかし、昨年一般的に熟れた状態で収穫したときのブドウを使った白ワインが納得いかない。

いやぁ、それでも甘くて美味しい。私は言うことない。

Uva Nera in Vendemia


日当たりの良い丘の上部のブドウたちを収穫する。

翌日から雨予報がチラホラ入っている。濡らしたくない。

雨が降ることで、またブドウのアルコール度数が変化する。

Sangiovese su Viti


ブドウたちは、旱魃の中、自力で生きていた。

果皮は厚く、果肉や果汁は最小限に。

実の周りの葉は、水分補給を手伝った。

病気もせず、彼らは身を寄せて成っていた。

Vista Panoramica Collina di Cerreto Guidi


昨年、長老が亡くなった一家の収穫も同じく、こだわりたい土地のブドウの収穫をする。

もうこの日は、夏の終わりを告げた風が吹いていた。

Coniglio in Umido e Verdure Cotte Vino Bio Salame fatto in Casa


ブドウ農園一家のランチ
では、一家と収穫仲間で賑やかにテーブルを囲む。

パワーのつくお肉料理とジェニュエンなワインは、農家の最高なおもてなしだ。

ウサギの煮込みと野菜の付け合せは、赤ワインに合い、午前中の疲れを忘れさせる。

一家手作りの生ハムやサラミは、格別である。

午前のお茶の時間にも生ハム&サラミのパニーニでもてなされた。日の出前の簡単な朝食では、お昼までもたない。飛びついたブレイクであった。

Scheletro di Uva


収穫をすると、すぐに果汁を搾り出す。

白ワインは、すぐに圧搾し、果皮を取り除く。

赤ワインは、果皮のチカラをしばらくお借りする。

Vino Biodinamico in Cantina


こうして、天候や熟れ状態、経験にあわせて収穫を実行していく。

ブドウの収穫は、清らかな風と清らかな光の中、しばらく続く。

Prima Raccolta di 2017


*関連記事*

カテゴリー【ブドウ

水分補給 Rifornimentod'Acqua

ブドウの収穫その1 Vendemmia2016

ブドウの収穫その2ノ1 Vendemmia2016

一肌脱いだ果皮たち Svinatura

ブドウの果皮のちから Rimontaggio

ありがとうGrazie↓

私たちは水を汲みに行く。

Vinciヴィンチの山Montalbanoモンタルバーノへ。

夏の水汲みは頻繁。冬の水汲みも面倒でも行くが、夏はもっと。今年はもっともっと。

Muove l'acqua


イタリアの夏は乾燥していても、暑けりゃ汗をかく。体の熱りと発散で、知らずとカラカラに気付く。これで涼しいところにじっとしていると、夏の代謝で発散しなければいけないモノが溜まり、炎症を起こす。


手術後のエコグラフィーで、欠けた水分補給を指摘された。怠けているとすぐ体に出る。また酷い炎症になっては困る。自ら病気を起こしているようなものだ。また反省。

Dintorno alla Fontana


一人一日
2リットルの水分補給が必要なんだそうだ。家族3人、計6リットルの消費を計算しなければいけない。

Acqua Potabile


水分補給に癖がない私は、水を薬だと思って気を配って飲んでいる。

水を飲めば、便通も良くなる。便だって内臓フィルターで漉したいらないモノ。排出しなければいけない。

Mamma e Figlio sull'Acqua


水を飲むことが体の調子を整えることの一つ。

水頼みで、この暑い夏を乗り切ろうと想う。


***************


ブドウの樹は、地下の水から自ら補給する。

Chiantiキアンティ地方の葡萄酒用のブドウは、灌漑が禁止されている。

一年目に植えつけた樹だけ灌漑が許される。

Uva Bianca


私が手伝うバイオダイナミックワインを手掛けるブドウ農園の畑のブドウの成長を観察に行った。

Canaiolo


この日照りと猛暑でも、ブドウはきちんと育っていた。

確かにMostoモスト(ブドウの果汁)の量は期待できない。

が、健康なブドウの収穫と濃厚な美味しさは期待できそうだ。

このまま日照りが続くと、収穫は早くなるだろうと農主は言う。

Vermentino


バイオダイナミック農園は、自然を尊重する。

ブドウの葉を残す。

葉が呼吸をし果実を守る。

葉が栄養素を摂り循環させる。

果実に水分が足りなくなると、葉の水分から補給する。

Assaggino


もう
Vermentinoヴェルメンティーノ(白ブドウの一種)なんか、甘味を感じる。

わ~~、美味しい!

少年も収穫を楽しみに待っている。


***************


ヴィンチの丘のポッと口を開けたような八月の満月は、メラメラと黄金色で大地を照らしていました。

Luna Piena agosto 2017

*関連記事*

カテゴリー【暮らし】【】【ブドウ】【ハーブ

ボクのカクテル MOJITOanalcolico

水を飲むのだ Acqua

水汲み Fontana

ブドウを摘んでから Foglie d'Uva

ありがとうGrazie↓

ブドウの芽かきScacchiaturaスカッキアトゥーラの時期が一番好き。

Uva Sangiovese

ブドウの枝から芽が出て

その新しい枝から実の莟が生まれて

実の莟が膨らんでくると手が出て掴むところを探し始めて
≪Viticcioヴィティッチョ(単)・Viticciヴィティッチ(複)=植物のつる≫

Danza San Colombano

身体(新枝)は柔らかく、優しい動きでダンスをしているような。

Dammi la mano

さぁ、こっちにおいで・・と手を差し出し、私を誘う。

Viticcio di San Colombano

彼女の手は小さく、手探りで五感を発する。実を守ろうと。

Viticcio di Sangiovese

深呼吸する葉は、実を覆いながら、実の呼吸を代行する。

Uva e Foglie San Colombano

キラキラと輝きながらダンスをするの。

Nuova Nascita Protegge dalla Foglia

初々しく踊りながら未来に向かっていく姿。


*関連記事*

カテゴリー【ブドウ

ブドウの芽かき Scacchiatura
ブドウを摘んでから Foglie di Uva』 

ブドウのあくび Scacchiatura


 ↓ありがとう↓


 人気ブログランキング

あぁぁぁ、暑い。

ヴィンチの大地は初夏を越えた夏のよう。

まだまだ開けたブドウ畑は、カラカラの大地の熱気が上昇する。

ブドウのお手入れ作業を手伝う私は、労力というより大地からの暑さにエネルギーを消耗した。

Sangiovese si stila

彼らの水分補給は、夜と朝の雫の粒、靄からだった。

Mattina

朝到着すると、ブドウ畑は白く覆われている。

朝日に当たってキラキラした畑。

Bagno di Notte San Colombano

近づくと、ブドウたちの朝の吐息が、日の光に反射していた。

Respiro del Mattino

伸びをするブドウの姿は、少年があくびをしながら生まれてきた姿を思わせる。

San Colombano Fiore più

去年より数週間早い、芽かき作業Scacchiaturaスカッキアトゥーラが始まった。

4月のLuna Discendenteに。(バイオダイナミック農法より)

Potatura Verdeポタトゥーラ ヴェルデ緑の剪定とも呼ばれるように、緑の時期に行う剪定。量より質を目的としている。

一枝に二房実るブドウ。

一本の木に14房実れば十分だと農主はいう。

実りが集中し濃厚な旨みを与えるだけではなく、風通しや日当たりも良くなり、病気も防げる。

枝と枝の空間と、枝の誕生が元気かどうか見極める。

そして、未来の枝を残すかどうか、樹形全体も見ながら進める。

この未来の枝を残すか残さないかで、常に樹形が成長に適切な状態で生きていけるかが決まったりもする。

Scacchiatura Prima Cordone SperonatoScacchiatura Dopo Cordone Speronato
Prima                          Dopo

 写真は、Cordone Speronatoコルドーネ スペロナートというトスカーナ地方でよく使われる樹形。

Mini Nascita

小さな若枝たちも取り除く。オリーブの若枝除去と同じ理屈である。実のならない枝は取り除く。取り除くことで、リンファの流れが安定する。

Sovescio Piselli

横には、緑肥のグリーンピースが軒を連ねている。

Venatura del Fiore di Piselli

今年は去年よりも早くにこの作業をしているから、グリーンピースは収穫できない。

Foglia di Piselli

それでは若い実を収穫し、サヤエンドウとして食べよう!っと。

Bel Contrasto

************

Pasquaパスクア(イースター)前の話。

Pasqua明け、寒いくらいのヴィンチの大地。

大丈夫かなぁ。

Fine Giornata


*関連記事*

カテゴリー【ブドウ】【ハーブ

ブドウの木の剪定Potaturadelle Viti

ブドウの芽かき Scacchiatura

大地の春・草・味 ErbaSpontanea


 ↓ありがとう↓


   人気ブログランキング

3月半ば過ぎ、現代バイオダイナミック農法のブドウ農園から緊急の電話。

「芽が出てきちゃったよ。やることいっぱいで、縛る作業終わってな~い!手伝ってぇぇぇ!」

Germogliato 

だろうよね。

雨も降らずに小春日和が毎日続いた3月、遠目でもわかるブドウの芽がプチプチピンクからミドリに開いてる様子が、日に日にわかる。

もう少しで終わるオリーブの剪定の気晴らしがてら、ブドウの枝を縛る作業を手伝った。

Legato

ブドウの枝を縛る作業は、GuyotグヨーCapovoltoカーポヴォルトという名の樹形で必要とされる。

冬眠期間の剪定後、Piantoピアントと呼ばれる樹液いわゆるリンパが流動し始めると、枝が柔らかくなりキュッキュッと形を整えながら、一番下の架線に縛り付ける作業をする。

これからワサワサ生まれる枝や葉や実を支えられるよう、しっかり縛ってあげる。

ブドウは上へ上へと伸びていくので、高過ぎてもいけない。

トラクターが通ることを頭に置きながら、ブドウの成長が架線から遠くならないように想像し、引き寄せながらしっかり結ぶ。

未来の枝がしっかり成長できるよう、縛る枝の向きを隣を見ながら判断する。

などなど、一年の作業やブドウの成長がわかっていると、未来を想像しやすければ、しっかりと作業ができる。

Filo Biodegradabile

現代バイオダイナミック農園は、地球に優しいBiodegradabileビオデグラダービレ(生分解できる)の素材の紐と道具を使って、現代的な方法でやっていた。慣れてくると、全然こちらの方が早く作業ができる。

Macchinetta per Legare

他のブドウ農園は、枝がオレンジ色のSaliceサーリチェ(ヤナギ)を使用する。切ったり水に浸けたり、作業中腰に巻いて重かったり、指が痛くなったりと、不便があった。私には続かない素材である。

ビニールの紐は、高価な上に、一年の作業後取り除き、ゴミとなり地球に優しくない。地球のことなんか考えてない農園は、そのまま土の中へ埋もれていく。

Vite Legata

白ワイン用のTrebbianoトレッビアーノは、枝が太く成長が遅いので、この乾燥小春日和の作業はやめておこう・・と後回しに。

Innesto

そうこうしている内に、新しいブドウ畑のInnestoインネスト接木作業が始まった。 

Innestato

私は、男たちを残し、天国という名の大地へ草摘みに行くことにした。

次回へ。


*関連記事*

カテゴリー【ブドウ】【BIO講演】【ハーブ

ブドウの木の剪定Potaturadelle Viti

ブドウの苗木Barbatella

ブドウの接木Innesto

日本人女剪定士の生み親Corsodi Agriformazione

天国という名の大地Terrasi chiama Paradiso


 ↓ありがとう↓


 人気ブログランキング

↑このページのトップヘ